まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
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二重生活

2016-09-26 21:00:28 | 日本映画(あ~な行)

小池真理子の原作を門脇麦の主演で映画化。奇妙な尾行がもたらす波紋を描く。出演は他に長谷川博己、リリー・フランキー、菅田将暉、西田尚美など。

恋人の卓也(菅田将暉)と同棲している大学院生の珠(門脇麦)。哲学専攻だが修士論文のテーマに悩み、担当教授の篠原(リリー・フランキー)に相談すると、ソフィ・カルの「本当の話」にあるような理由のない尾行をやってみませんか、と勧められる。珠のマンションの目の前の豪邸に住んでいる石坂(長谷川博己)は、美しい妻と可愛らしい娘の3人暮らし。出版社で部長をしていてこのあたり一帯の地主だった家柄だそう。その石坂を尾行対象に選んだ珠は、下手くそな尾行で石坂の行動を記録していく。

喫茶店で女性と落ち合い、ビルの陰で濃厚なキスを交わす石坂の姿、そして他人の秘密を覗き見ることにこれまでにない感情を覚えた珠は、石坂の尾行にのめり込んでいく。卓也との関係が上の空になるほど尾行に熱中する珠。シティホテルで張り込みをし、石坂と不倫相手が入っていったイタリア料理店にもおひとりさまで入店する。しかしそこには不穏な空気が。女が声を荒げて席を立ち店を出て、それを追う石坂。しかし店の外にはなぜか石坂の妻と娘がいた。石坂の言動に不審を抱いていた妻は、ひそかにスマホのGPSを調べていたのだ。

家族の対応に追われる石坂を横目に、珠は女の後を尾ける。ホテルのトイレで女と顔を合わせ、「何で後を尾けたの?」と詰問される珠はその場はシラを切りとおすが、ホテルのフロントには妻が来ていて危うく不倫相手と鉢合わせになるところだった。夜の街をあてもなく歩く妻を一晩中尾けて、明け方の帰宅を見届ける。

その夜、石坂の妻が自殺未遂をして救急車が呼ばれた。翌日、珠は絶対に接触してはいけない対象者、石坂に捕まり、なぜ尾行していたのか問い詰められる。修士論文のためだとすべて打ち明け題材に使わせてほしいと懇願するが、石坂は素気無く断る。飲みなれないお酒を飲んで倒れた珠と石坂はラブホテルに入るが、行為の途中で娘から電話があり我に返る。

篠原教授から「論文執筆はこのまま進めてください」と言われた珠は、尾行対象を篠原教授に換え、夫婦の仲睦まじい様子を記録する。卓也が去ってからも部屋で論文を書き続け、ついに完成させて篠原教授に提出する。しかし、対象者Bの記録に誤りがある、と指摘され、ここに行ってみなさいと向かった先は。。。

とにかく珠の尾行が下手くそで、こんなのを尾行と呼んでいいの?絶対にバレるよね、というレベル。これで石坂が全然気づかない、というのがリアリティがなあ。珠が下手くそなのは、ラブホテルでの独白で何となく器用に生きられない人だな、と分かったから仕方ないと思うけど。門脇麦は『愛の渦』に出たから、もう全く脱ぐことやラブシーン、ベッドシーンは抵抗ないんだろうなー。そして不器用だから体の関係に頼ってしまう、という流れが何とも言えず。

石坂がホテルで自分のダメさを告白した珠を冷たく突き放すくだりは、少々珠にイラついていただけにスッキリするものがありました。確かに訳の分からない論文のために自分の生活を壊された石坂にとって、学生の論文なんて知ったことじゃない、の世界なんでしょう。

篠原教授が自殺した理由がいまいち分かりません。母親の死で張りつめていた糸が切れた、という感じはあるのでしょうが、もともと離れて暮らしていたようだから突然寂しくなったわけでもないだろうし、珠の論文はきっかけになったとしても原因にはなりようがなさそうだから、うーん分かりません。

演出は思わせぶりなシーンがあると思ったらすぐネタばらしになっていて、もうちょっと隠していたほうが余韻が残り好きですね。説明が過少な中国映画をたくさん見ている影響でしょうか。小池真理子の原作はちょっと気になります。読んでみようかな。

公式サイトはこちら

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