まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
たまにライヴや本の感想、中小企業診断士活動もアップします。

ディストラクション・ベイビーズ

2016-07-10 22:13:55 | 日本映画(あ~な行)

柳楽優弥に菅田将暉、小松菜奈、村上虹郎といった若手実力派俳優たちが出演しています。柳楽優弥の演技が好評だったので観てきました。

愛媛の小さな造船工場の2階に2人で住んでいる兄(柳楽優弥)と弟、将太(村上虹郎)。しかしある日を境に兄は姿を消した。しばらくすると、松山の繁華街で強そうな相手に喧嘩をふっかける男が出た。数人のヤクザ相手にも一歩も引かない彼に、高校生の裕也(菅田将暉)は興奮し、行動を共にする。無差別に通行人を襲い、キャバクラの送迎用ベンツを送迎待ちのホステス那奈(小松菜奈)もろとも強奪した2人は、さらに喧嘩を吹っ掛ける相手を探す。。。

登場人物がほぼクズ!柳楽優弥演じる若者は誰彼構わず喧嘩をふっかけて、だんだん強い奴が相手になっていたから強い相手を求めているのかと思ったら、裕也が襲った女性や一般人にも拳を振るっているし、山間の片田舎でもひと暴れしたようだし、単純に殴ることが好きなんでしょうか。

那奈もしょうもないものを万引きしたり、中国人(?)キャバ嬢の同僚にトラブルの責任を押し付けたり、田舎で老人を轢いたのは極限状況だったから仕方ないとしても。でも一番のクズっぷりは菅田将暉演じる高校生の裕也です。仲間が柳楽優弥にボコボコにされても何もできず、柳楽優弥とつるんでからは「女を思いっきり殴ってみたかった」と女子高生やおばさんに殴りかかる。弱い者には居丈高に振る舞い、強い者には関わらず面倒を避けようとする、まさにクズの中のクズ。これまた菅田将暉が当たり前に演じているから驚きです。

柳楽優弥は台詞は2つくらいしかなかったんじゃないでしょうか。ボコボコに殴られた後、ゾンビみたいによろよろっと立ち上がる姿が気持ち悪い!あれだけやられておきながら骨の一本も折られていないのが、話の都合なんだろうけど甘い。あれだけ暴れていたら、しばらく大人しくさせようとか再起不能にしようとか思いそうだけど。

裕也が暴れる様子をスマホで撮ってすぐに動画サイトにアップするのは、今の高校生にとっては当たり前のことというか、昔の高校生が公衆便所に落書きしていたようなものでしょうか。ネットにアップするってことは世界中の誰からも見られるってことに気づいていないのか実感がないのか、いろんな炎上事件と似ていて、自分が大丈夫と思ったことが実は他の人から見たら全然大丈夫じゃなかったという認識の差が如実に出ています。まあ裕也は単なるバカだけど。

登場人物の柳楽優弥や那奈、裕也たちから感じるのは、日本の地方が抱える閉塞感です。これといって特徴のない、大人になったところで死ぬまで先が見えていそうな感じで、東京に出るあてもなくこのままここで朽ちていく。まだ10代なのにここまで希望のない先が見えてしまっていることが、暴発を生むのかもしれません。

公式サイトはこちら

6/8 テアトル新宿
クリックで救える命がある。投資信託


最新の画像もっと見る

コメントを投稿