本日の朝刊では、高速増殖炉もんじゅの運営交代勧告を原子力規制委員会が初めて文部科学省に行うことが報じられました。1995年に発電稼働するも、すぐにナトリウム漏れで停止され、以来、度々の故障や事故報告もあり稼働していませんでした。この間、1兆円以上の予算が投下されたもんじゅ。政府は昨年4月に閣議決定した「エネルギー基本計画」で高レベル放射性廃棄物など「核のごみ」を減らす新技術の研究開発ももんじゅの目的に加えることで延命を図り、本年度も1950億円の予算が投下されています。因みに、高速増殖炉とは、発電しながら使用した以上のプルトニウムを生み出すとされ、「夢の原子炉」と言われてきました。その中核施設が「もんじゅ」でした。しかし、今回の勧告で、仮に文部科学省が来年5月までにもんじゅの新しい管理組織を指定できないとなると廃炉となり、高速増殖炉の実用化は絶望的となります。まさに、核燃サイクルの見直しとなるわけです。国においては、福島第一原子力発電所の爆発事故以降、さまざまな課題が噴出していると思いますが、将来を見据えたエネルギー基本計画のあり方や放射性廃棄物の処理に向けた方針をきちんと定めていくべきです。国際的には、余計なプルトニウムを持たないとする「核不拡散」の観点から日本に対する疑念も発生することと推察します。日本は、既に核兵器数千発分に相当する47トン以上のプルトニウムを国内外に保有していますので、もんじゅが実用化されないとなると、原子力発電におけるプルサーマルのみの使用となり、「核兵器転用」等といった国際的批判も受けざるを得ません。とにかく今回のもんじゅの勧告を機に政府のより積極的かつ完全な対応を図る努力を求めたいと思います。
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