えくぼ

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池袋に屋久島が

2017-03-16 09:55:54 | 歌う
     

 池袋に屋久島が

 東京・池袋の「コニカミノルタプラネタリウム 満天」で、2月中旬から、連日開かれている「星に包まれた森」、世界遺産に登録されている屋久島の森の香りを映像を見ながら体験できる企画が開催中である。島で育った杉から抽出した精油などで作ったアロマオイルが会場に漂う。高齢化が進む島では、若者の働き口は少なく、人口の減少が進む。世界遺産人気にも陰りが見え始め、観光客は最盛期の7割以下に減り、島を去る山岳ガイドも増えた。

    杉たち 十三首    松井多絵子
 
 ひと月に35日は雨の降る屋久島にきて三日目も晴れ

 どの幹も傾きながら伸びているガジュマルに追われ樹林をぬける

 心のきれいな人しか映さぬ川らしい水面の顔はわたくしですね

 山頂をめざしてのぼる亀ですとガイドがいえば亀にもなる山

 まっすぐに伸びる杉たち空ばかり見上げていたら疲れてしまう

 うかつにも落ちて消されし人のこと聞きしとき虹が滝壺を跨ぐ

 二本の木が合体している杉の木が獣のごとく迫りてきたり

 これが木とはおもえぬ仏陀杉があり我のゆくてを塞ぐがにあり

 歩けども歩けども会えぬ弥生杉わたしに会いたくないなら会わない

 テゲテゲデヨカトダヨとはいい加減でいいという意味らし屋久島言葉

 たちまちに屋久島を失う高速のジェットホイルは飛び魚も消す

 屋久島の杉たちはみな岩のごと写真のなかに黒々とあり

 勾配の急なる坂に立つビルを見上げておもう縄文杉を


 ㊟ ここが日本?というような屋久島の旅、7年も前の私の歌です。

         3月16日  松井多絵子