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漱石情報 ②

2016-02-25 10:21:26 | 歌う

            ・・・ 漱石情報 ② ・・・

 ♦ 若きらが老人を大切にするような苺大福おいしいですね  松井多絵子

 文豪のなかでも特に甘党として知られている夏目漱石。京都への旅が「ぜんざい」を食べるためらしいと知り驚く。彼の作品から推して辛口の日本酒が好きそうに思えるのに、おしるこ、駄菓子、羊羹が大好物だったとは。疲れているときに甘いものが食べたくなるが、私はアイスクリームやケーキ、和菓子は苺大福だけ、汁粉や羊羹、ぜんざいなどはほとんど食べない。

 明治25年7月、夏季休暇で帰郷する正岡子規との旅で、漱石は初めて京都を訪れた。柊家に泊った翌日、比叡山に登り、平八茶屋に行ったと推定される。(荒正人『増補改訂漱石研究年表』 ~ 京の夜、赤く「ぜんざい」と書かれた大提灯が目に付いた。「余とぜんざいと京都とは有史以前から深い因縁」があり、「ぜんざいは京都で、京都はぜんざいである。~

 後年、漱石は子規と京都との思い出をつづる。「子規は死んだ。余はいまだに ぜんざい を食ったことがない」 明治40年の日記には 「平八茶屋(雨を衝いて虚子と車をかる。渓流、山、鯉の羹(あつもの) 鰻)」とあり平八茶屋も漱石にとって京都らしい場所だったか。
                                 (1月29日朝日朝刊  岡恵里)

   < 新刊句集 > 

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     2児の父であり高校教師である37歳の日常。 4年間の軌跡をまとめた第二句集。 

 ◆ 内野修句集    『風あり』   角川書店・本体2700円

     昨年の朝日俳壇賞受賞者  題名は「自然とともにある」という人生観からとった。