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読解力の検定

2016-02-24 09:49:19 | 歌う

               ・・・ 読解力の検定 ・・・

♦ 十分で1冊の本が読めるらし10分後には忘れる本を  松井多絵子

 今年は6月1日に行われる 「語彙・読解力検定」の申し込みが3月1日スタートする。私はこの検定を受けてみたいがまだ受けていない。気軽に試しても、不合格の場合は自信を失う。「合格力養成BOOK」で勉強して検定を受けて不合格だったら更に自信を失うだろう。

 短歌を詠んでいても、文を書いていても限られた範囲の語彙である。歌は個性を強調すべく屈折して詠みがちだ。歌の観賞も素直ではない。だから全く自信がないのである。

 芥川賞作家の羽田圭介氏は 「自分の頭で考える助けになる」とこの検定を勧めている。

「小説を書く際には自分の伝えたいモチーフが正確に伝わるようにしています。辞書を引かないと使えないような自分の中にない言葉は小説の流れが不自然になるので使いません」

 わたしは辞書で確認しないと安心できない。電子辞書ではない何年も、何十年も前の。

 「テーマは日常生活の中で気になったことをメモし、数週間から数か月間ほど置いて、まだ自分の中に書きたいという熱が残っているものを選びます。執筆前には本などで情報収集しますがふだんは意識して情報を仕入れることはありません。とくにインターネットは自分の欲しい情報しかアクセスしない。麻薬のようなものと感じています。人からぬきんでたければパソコンから離れた方がいいと思いますね」。

 羽田圭介氏のコメントは芥川賞を受賞した若い作家の自信が溢れている。勝者の奢りが感じられるのは私だけだろうか。執筆依頼が次々に来る、自分のぜひ書きたいものだけを書ける作家の言葉におもえる。ネットの夥しい情報の中からぜひ書きたいことを選び、鮮度が落ちないうちにネットの読者に伝えようとしている人達を彼は知らないのだろうか。

 「小学5年の夏休みに<天声人語>、の要約をやったおかげで自分には文才があると思うようになり、小説家を目指すきっかけの1部にはなりました。」

 これは「読解力検定」の広告だから、とは思う。しかし文才という言葉を気軽に言えるのは彼の若さか。「人からぬきんでたければパソコンから離れた方が」は偏見ではないか。「人からぬきんでる」というのはどのようなことか、わたしには分からない。

                      2月24日  松井多絵子 、