えくぼ

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ねこ・猫・ネコの美術館

2014-05-03 13:54:19 | 歌う

             「ねこ・猫・ネコの美術館」

♠黒猫はタンゴが似合うその角をくいっと曲がりまた戻り来よ   松井多絵子

 一昨日、メーデーの日の午後わたしは渋谷にいた。リニューアルした松濤美術館でねこ・猫・ネコに囲まれていた。館内には若い女性がかなり多かった。ツイッターでもプロフィールに飼い猫の写真がまるで本人のように紹介されている。なぜ女たちは猫に関心があるのか。猫は気まぐれ、わがまま、不可解な動物だ。おんなは妖しげな、小悪魔的な女になり男を翻弄したいという気持ちを、つねに、ひそかに持っているのだ。猫は女の分身、男たちをなかなか翻弄できない女たちが、猫に代償行為を求めているのではないか。

 畠中光亨の「女と猫」の絵がひときわ目立つ。半裸の若いおんなが座るその膝の上の三毛猫の目とおんなの目がよく似ている。同じものを見ているのか同じことを考えているのか。

 岡本一平の「漱石先生」は和机で何か書いている漱石の傍らに猫が座っている。「吾輩は猫である」の猫か。漱石自身の描いた水墨画もある。長い数本の竹の生えている下に、ごろりと寝転んでいるのは、タヌキではなく猫のようだ。これが「吾輩は猫である」の猫か。

 朝倉文夫のブロンズ「よく獲たり」は猫がネズミを咥えている。その猫の目が怖くなり、私は美術館を出た。そして巻かれていた猫の尻尾から解かれたような気分になった。

 ※この「ねこ・猫・ネコ」~リニューアル記念特別展」~は5月18日まで。渋谷区松濤。

 入場料・一般1000円、大学生800円、高校生・60歳以上500円、小中学生100円。
                               ㊟ 小中学生は土・日・祝日は無料

    5月3日  今日から黄金休暇の後半、しかも☀   松井多絵子、