時の流れの中に!

少子高齢化の中で高齢者はどう生きて行けば良いのか。

認知症を予防する ㊲ 認知症の悲劇

2017-10-31 09:44:19 | 認知症

永年仲睦まじく暮らしてきたのに、別に憎かった訳でもない、ただ介護の疲れが人を狂わせてしまったのだろうか!あまりにも悲しい結末が多くなっている。
人生の勝ち組み、負け組みと言われる事がある。有名大学に入れた、有名企業に就職できた。
地位も名誉も得て人生の成功者と呼ばれるようになった、これらを外れると負け組になるのだろうか、でも勝ち組と呼ばれても晩年に認知症を発症すれば最悪の悲惨な最後となる。
人の勝ち負けは、人生の終末に判定を下されるのではないだろうか!

姫路・認知症妻殺人事件
男性は夜中にわめきちらす認知症の妻(当時71歳)を1人で介護していた。1~2ヶ月前からあまり眠っていないようで、つらそうだった。近所から「うるさい」と苦情も来ていた。
2011年9月 妻が認知症と診断される。 
妻は症状が次第に悪化し、「ご飯を準備せえ」などと男性を怒鳴った。それでも男性は懸命に介護した。自分が面倒を見ると言い張り施設入所を断った。
夜に眠らなくなった妻をなだめようと、男性は毎晩、ドライブや散歩に連れ出した。
2012年6月頃、疲労の色が濃くなっていく男性に、ケアマネの女性は施設入所を説き伏せた。
しかし、肝心の施設が見つからない。ケアマネの女性は担当する約30の介護家族への対応も追われながら、女性は施設を探したが、妻の症状を説明すると決まって断られた。
それでも女性は妻がショートステイ(短期入所)できる施設を探した。
6月13日と7月下旬にそれぞれ別の施設が1泊させてくれたが、どちらも2度目は嫌がった。夜に大声をあげ、早朝から動き回る妻に職員が音を上げたのだ。
2012年8月中旬の午前2時過ぎに、兵庫県姫路市の男性(78)は認知症の妻(当時71歳)を助手席に乗せ、行くあてもなく車を走らせた。
寝不足のために頭がぼうっとしていた。ハンドルを握りながら、暗闇に浮かび上がる姫路城を眺めたり、姫路港の先に広がる漆黒の海を見つめたりした。
妻は目をつむって、うとうとしている。しんどくなってしばらく路肩に停車していると、「走れ」「何しとんねん」。再びアクセルを踏んだ。
深夜のドライブは一ヶ月以上前から毎日のように続いていた。認知症で人が変わってしまった妻が毎晩、「どっか連れて行け!」と大声でわめくからだ。自宅に戻るのはいつも空が白みかけた頃だった。
8月22日も午前0時ごろに妻は起きた。ドライブは求めなかったが、意味がわからない言葉で男性をののしり続けた。「お前みたいなもんは帰れ」午前2時ごろだった。
熱帯夜なので、ベッドに横たわる妻の首に保冷剤を包んだタオルを巻いていた。男性はそれをつかんで引っ張った。涙が頬を伝うのを感じながら力強く締めた。
午前8時半、デイサービスの迎えに訪れた施設職員が異変を感じた。
駆けつけた息子が遺体を見つけた。男性も近くに倒れていた。睡眠薬数十錠を酒と一緒に飲み込んでいたが助かった。
翌日に退院し、殺人容疑で逮捕された。手錠をかけられてようやく、47年も連れ添った妻の死、そして自分が手をかけた現実を認識した。
神戸地裁姫路市部は13年2月、男性に懲役3年、保護観察付きの執行猶予5年(求刑・懲役5年)を言い渡した。
判決は介護疲れが事件の引き金だと指摘した。「妻が深夜から早朝にかけてほとんど寝付かない日が続く中、妻を車で連れ出すなど献身的な介護を続けた。身体的、精神的疲労は相当多大に蓄積されていた。
男性は今、妻を殺害した家に一人で暮らす。結婚時から妻と並んで寝たダブルベッド、壁に何枚も貼った妻との旅行写真もそのままだ。この秋、男性は取材に応じ、重い口を開いた。
「お母ちゃんを殺した時の記憶はほとんどない。ただ、自分の中の大きな何かが崩れた。
もうこれで終わろう。自分もあの世に行こうと。それだけやった」。

この女性を担当したケアマネの女性が一言「あの時、奥さんを1日でも預かる施設があれば・・・・。この国の介護制度はおかしい」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

認知症を予防する ㊱ 症状の経過

2017-10-29 10:10:49 | 認知症

認知症は、海馬の萎縮とβアミロイドの蓄積がひとつの要因

と言われています。

症状は軽い物忘れから記憶力低下へと25年ほど掛けて進行

していきます。


海馬(かいば、英:hippocampus)は、大脳辺縁系の一部

であり海馬体の一部。特徴的な層構造を持ち、脳の記憶や

空間学習能力に関わる脳の器官。

記憶を司る海馬は、目、耳、鼻(日常生活)から記憶のもと

になる情報を全て海馬に一度集められ最終的には海馬によっ

て大脳新皮質で永久保存されます。海馬は定着に重要な役目

を果たしています。長い期間に少しずつ海馬が萎縮していき

脳の機能が失われていきます。


βアミロイド(Beta Amyloids)は、脳内で作られる不必要

なタンパク質です。

初期段階ではβアミロイドの蓄積から始まりその約10年後

からタウタンパク質の蓄積が始まります。それから更に約

15年間βアミロイドとタウタンパク質は蓄積を続け、脳神

経細胞を死滅させ認知症を発症させます。発症は初期段

階から約25年かかります。認知症は70歳頃からの発症率が

高い為、その多くは〈70歳-25年間=45歳〉45歳頃からβ

アミロイドの蓄積が始まっている事になります。



※これはアルツハイマー型認知症の症状で、他の脳血管性

認知症などでは進行パターンは変わります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

認知症を予防する ㉟ 認知症は!

2017-10-28 09:52:24 | 認知症

認知症は誰にでも訪れる可能性がある疾病なのに誰も詳しく

知らない。

◇誰にも物忘れがありますので軽度認知障害と診断されても

 さらに進行するかどうかは、個人の生活習慣も影響します

 ので判断するのは難しいのです。

◇誰もが知らなければならない疾病なのに学べる機会が少な

 い。テレビ、雑誌などで情報を得ても専門用語が多く理解

 するのに苦労する。

◇近くに専門医療機関がある方は少数、市・区の行政機関に

 相談するのが良い


◇単なる物忘れと思いたい、認知症は恥ずかしいと受診しない

◇最近、徘徊の見守り体制を作る自治体もあるが、認知症すべ

 てを支援する体制は出来ていない

◇介護中心の施策が進められているが、予防に関する施策が

 ない


※認知症のセミナー、講演会が開かれても認知症ケア、介護

 方法が中心で予防については、あまり触れられていない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

認知症を予防する ㉞ 物忘れと認知症の違い

2017-10-26 10:02:15 | 認知症

認知症は、早期に治療を受ければ、進行を遅らせられる、回復する

等の可能性がありますので早く受診をするのが重要です。

高齢になると物忘れも多くなります。それが老化によるもの忘れか、

認知症の前兆かを見極める必要があります。

何を食べたか忘れた、食べたことを忘れるでは大きな違いがありま

す。老化のもの忘れか認知症の前兆か判断できるようになるのが重

要です。

認知症の前兆サイン

◇料理の味が変わった

◇賞味期限切れの調味料や食材が多い

◇入浴や自分の見出しなみに気を使わなくなった

◇孫や嫁・夫の名前が出てこない

◇身体の動きが鈍くなった

◇以前からの趣味に興味を示さなくなった

◇何度も同じことを言ったり聞いたりするようになった

◇感情の起伏が激しくなってきた

◇何をするにも面倒くさそうになってきた

◇薬を管理して服用することができなくなった

◇以前に比べて新聞やテレビを見なくなった

◇脳卒中、糖尿病、心臓病の持病がある

◇今まで使っていた家電の操作がわからなくなった

※本人は異常があっても年のせいぐらいに考えて受診しようとしま

せん。一緒に住んでいる家族の方たちが、これまでと生活の変化が

見られると、老化による物忘れか認知症の症状かと判別して、専門

医に相談するなど早期発見に務めることが重要です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

認知症を予防する ㉝ 認知症とは

2017-10-24 09:49:42 | 認知症

脳は、私たちのすべての活動をコントロールしている司令塔です。

それがうまく働かなければ、精神活動も身体活動もスムーズに運ば

なくなります。認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでし

まったり、働きが悪くなったために、物忘れにみられるように記憶

の障害のほか、判断・計算・理解・学習・思考・言語などを含む脳

の高次の機能に障害がみられ、生活に支障が出て続く状態を指しま

す。一度発症すると現代の医学では治療できませんが、MCI(軽

度認知障害)であれば、2016年現在、日本国内では認知症の薬とし

ては下記の4種類が認可されています。これらの薬は2つのグループ

に分けられます。アリセプト、レミニール、リバスタッチパッチ/

イクセロンパッチはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬というグル

ープとメマリーはNMDA受容体拮抗薬と呼ばれ、上記の3剤とは異な

る働きを持ちます。そのため、複数のアセチルコリンエステラーゼ

阻害薬を同時に使用することはできませんが、メマリーはアセチル

コリンエステラーゼ阻害薬のうち1剤と併用して治療することも可

能です。

認知症の治療薬はまだ開発されていませんが、早期発見が出来れば

進行を遅らせる薬があるのです。


※親に患って欲しくない病気では、「ガン」を抑えて「認知症」が

 1位になっています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする