日本は世界の高齢化率で第一位、高齢者の福祉政策に日本は世界
から注目されている。
認知症患者数についても世界のトップで、その対策方法も世界が
注目しているが、日本独自の施策が見えない。
日本の認知症ケアは、病院や介護施設に収容するのが主流である
が、2013年1月に東京で「認知症国家戦略に関する国際政策
シンポジウム」が開かれ、イギリス、フランス、オランダ、デン
マーク、オーストラリアの参加5カ国に比べて政策が遅れている
と指摘された。参加5カ国の高齢化率は15%前後、認知症発生
率は8%前後と日本より低いが、何より日本と違うのは、認知症
が進んでもその人らしく住み慣れた家や地域で暮らし続けること
を国家戦略で支えていることだった。とりわけフランスは200
8年から5年間で16億ユーロ(1800億円)認知症患者一人
当たりに約45000円を投じて44の施策を講じていた。日本
はその40分の1であった。
欧米に比べて対策が送れる日本を批判されて打ち出したのが「認
知症施策推進5ヵ年計画(オレンジプラン)」「できる限り住み
慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」となっ
ている。
世界の認知症人口は、2015年は4680万人と推定されるが、
その内の約10%を日本が占めている。まさに認知症大国であるが、
認知症に対する国民の理解、国の施策について後進国と言わざるを
得ない。ただここには日本としての特徴もある。
①日本人は遺伝的に認知症になりやすい
②生活習慣が認知症になりやすい
③日本の認知症の診断が優れている
さらに老化と認知症の発症は密接な関係があることは周知の事実で
す。日本は世界一の長寿国ですので高齢者認知症数が多いのも仕方
がないのかもしれません。
だからこそデンマークをモデルにした施策ではなく、日本独自の認
知症施策が必要となってきます。