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少子高齢化の中で高齢者はどう生きて行けば良いのか。

認知症を予防する 老人ホーム

2018-02-04 10:21:28 | 認知症
田舎でひとり暮らしの年老いた母をどうするか、二人の姉妹は考えた。どちらかが引き取って一緒に暮らすしか方法はない。それぞれの夫も一緒に暮らすことに同意している。母が選んだ方が引き取ることにした。「お母さんも年だから、私たちのどちらかが引き取るか相談したの」「姉さんの東京か、私の住んでいる大阪、お母さんどちらが良い」母「このままでいいよ!」「私たちが心配しているのが解らないの!」「お母さんの事を思って言っているのよ!」「二人共、何とか夫を説得して、夫も納得してくれたのに!」母「私はここを離れたくない」話し合いは水掛け論になった。一回目の話し合いは決裂。よく聞く話しです。

認知症の事例を調べている時に、こんな記事を読みました。

歌手山本譲二さん(63)の母ハルヱさん(88)は、山口県下関市の老人ホームで暮らしています。
 山本さんは、母の認知症が進んだ時期と自分や妻の病気が重なり、悩みは尽きませんでした。ホームへの入居を勧める時、「正直に自分の気持ちを伝えたら、わかってもらえた」といいます。3年ほど前、下関の実家へ母を訪ねた時のことです。「子どもはどうしてる?」と聞くので近況を話したのですが、何度も同じ質問をしてくる。ついイライラして、「何回同じこと聞くの」と、強い調子で言ってしまいました。あの頃が母の異変の始まりだったのかもしれません。 そのうちに、「変だな」と感じることが増えてきました。母の作るみそ汁の味がすごく薄かったり、ご飯が硬すぎたりするのです。

 父は14年前に他界し、母は長らく一人暮らしをしていました。私は大体1、2か月に1度、顔を見せに帰省し、そのたびに「東京で一緒に暮らそう」と誘いました。しかし、「お父さんのお墓は誰がみるの」とうなずいてくれません。「譲二に連れて行かれる。帰ってくるのが怖い」と周囲に漏らしていたことは、後で知りました。 母の症状は、徐々に悪化していきました。毎日、様子を見に行ってくれる地元の親戚から、「鍋の火をつけたまま忘れていたようだ」「風呂を空だきしていた」などと電話で聞かされるたび、なんとかしなければと焦りました。
ハルヱさんは認知症と診断された。実家での生活を希望する母に、老人ホームへの入所をどう納得してもらうのか、山本さんは悩んだ。
ホームに入ってもらおうと決断したのは2011年の年末です。親戚と相談した後、東京へ戻る飛行機の中で、母にどう話すべきか考えましたが答えは出ません。結局、「お袋の顔を見たら、何か言葉が出てくるだろう」と腹をくくりました。

 年が明けて正月、母に会いに行きました。「俺、一つだけ悩みがあるんだ。それはお袋しか解決できないんだ」と切り出しました。ホームの件を伝えると、「なんで家を出なくちゃならないの」と母。私は「だから悩んでいる」と言うしかありません。すると母は、「ホームに入れば、譲二の悩みはなくなるの?」と話を聞いてくれました。私はきっぱり、「なくなる」と答えました。1か月間、試しに泊まってみるという条件で納得してくれました「悩みがある」と私が言った瞬間、母の背筋がピンと伸びて、若かった頃の表情に戻ったのを鮮明に覚えています。今にして思うと、「周りに迷惑をかける」などと母の責任にすり替えずに、「俺自身の悩みなんだ」と正直に告白したから、わかってもらえたのかもしれません。 入居したのは関門海峡が一望できる部屋。1か月後にホームを訪ねると、友達も出来たみたいで、母は「(家に)帰らんでもええよ」と気に入った様子でした。ホッとしました。ホームに入って何より良かったのは母の表情が明るくなったこと。一人暮らしをしていた頃は、表情にかげりが見える時がありましたから。

 部屋を出たところにあるソファに友達と座って、「お菓子屋さんが落花生を売りに来るのは何曜日だったかねえ」なんて、おしゃべりを延々と繰り返している。私はその会話を隣で聞いている。ゆったりとした時間に癒やされます。母の認知症、自分や妻の病気――。試練が重なりましたが、「俺は悪い生き方なんかしてこなかった。そういう年回りだったんだ」。今はそう思えます。母は元気です。訪ねると、「譲二、よく来たね」と言って抱きついてくる。幸せを感じる瞬間です。(聞き手・赤池泰斗)

前記の母と姉妹の問題で母の心の声を代弁。
『まだ面倒を見てもらってないのに、何を上から目線で言っているの!』

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