とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

書評『カラマーゾフの兄弟4』

2017-12-29 06:46:49 | 読書
 今年の目標の一つが『カラマーゾフの兄弟』を読破することでした。そして今日なんとか読み終えました。「3」を読み終えたのが8月15日。そこで余裕があったので、「4」を読み始めるのが遅くなり、結局今年のぎりぎりになってしまいました。でも目標達成です。とはいいながら、読み飛ばしてしまって細かいところがよくわからないままのところが多くあります。

 第10編「少年たち」がよくわかりませんでした。この章には何の意味があったのか。

 第11章「兄イワン」は精神を病んでいくイワンの物語です。スメルジャコフのイワンに対する告白と自殺は迫力があります。スメルジャコフという人物はなんだったのか、そしてイワンの存在の意義は。心理小説であり、現代ではサスペンススリラーと名付けられるようなおもしろさがありました。

 第12章「誤審」はすばらしい裁判小説です。裁判に凝縮されたロシアが描かれています。何を描こうとしたのかすぐにはわからないが、ひとつの家族を描きながら、社会全体を描くスケールの大きな小説でした。

 しかし一度だけでは何がなんだかわからないというのも事実です。できるだけ近い将来にもう一度読んでみたい小説です。
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