とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

書評『偏差値好きな教育”後進国“ニッポン』(増田ユリヤ・池上彰著)

2017-12-30 17:44:23 | 読書
 今日の日本の教育を、他国の先進的な取り組みを紹介する形で振り返る本です。アクティブラーニングブームなどが巻き起こり、センター試験が大きく変化しようとしていて、日本の教育も大きく変わりつつある中、参考になることがたくさんあります。

 外国のいじめの問題が紹介されています。そしていじめをなくす努力としてどういうことがおこなわれているか、考えさせられます。フィンランドの原子力発電の教育も参考になります。日本でももっと取り組んでいくべきことだと思います。

 とは言え、諸外国はさまざまな人種がいる中で築き上げてきたという経緯の中で教育改革がなされ、答えのない答えを求める教育が育ってきたのです。それに対して、日本はほとんど人種的な対立がないという状況です。だから前提になっていることが違いすぎるのです。江戸時代に寺子屋がはじまるなど、日本は日本で教育はそれなりに伝統があり、いい面がたくさんあります。外国の紹介はいいのですが、日本の伝統をおろそかにしたのでは改革は失敗するのはあきらかです。

 日本にはこれから他の人種が流入してくるのは必然です。これからが本当に日本の教育力がためされるのだと思います。日本のいい伝統は残して生かしつつ、凝り固まって見えなくなっていたことを外国に学ぶ、そんな真の教育改革を目指してほしいと思います。
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