とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

現代文の参考書シリーズ こども論6

2016-07-23 15:21:30 | 現代文の参考書
4.経済的に豊かであるからこそのこころの豊かさなのではないか。
 近代合理主義が、経済優先主義を生み、競争社会が生まれ、が人間の心を貧しくしているというポストモダン主義の考え方はおそらく誰もが否定はしないでしょう。しかし、だからと言って、経済を切り捨てていいのかというと、だれもが賛成するとは思えません。

 確かに、競争社会によって生じてきた学歴社会、詰め込み教育などのような近代的な教育を簡単に肯定するわけにはいきません。もっと子どもがのびのびと成長できるような社会に変革しなければならないはずです。

 しかし、そのようなことを言っていられるのは、日本が比較的裕福な国だからではないでしょうか。余裕があるときは、だれでも優しい気持ちになることができます。しかし、余裕を失った瞬間、その偽善者の顔の下から本性が現れる。バブル経済の時はみんな平和で優しい気持ちになり、(多少の反対もありましたが)「ゆとり教育」が受け入れられました。しかし、バブルが崩壊し、韓国や中国の経済的な躍進が顕著になるやいなや、だれもがこころの豊かさを失ってしまいました。日本の経済的な優位性が揺らいできた瞬間に、「ゆとり教育」は戦犯となり、「ゆとり教育」を推進した人は、日本社会特有の集団いじめのターゲットとなってしまったのです。

 経済的に豊かであり、なおかつ競争社会でない、助け合う社会でありつづけることは可能なのかどうか。そこが今我々に問われているのではないかと感じるのです。
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