年の冬ドラマもおもしろいものがたくさんあった。
まずは『119エマージェンシーコール』。実際に火事や事故を撮影しないで、それでいながら、事件を描写するという方法が斬新だった。そしてそれで十分だったのだ。予算も削減できた。そこにある人生ドラマが感動的であり、毎回楽しみにしていた。清野菜名さんは誠実でまっすぐな演技が、好感がもてる。
『ホットスポット』もよかった。非現実的な話を、現実の世界で描こうというアンバランスさが、そこはかとない笑いとなっていた。計算されつくしているようで、実はいい加減のようにも見える脚本が見事だった。
『まどか26歳、研修医やってます!』は意外にすばらしいドラマだった。中途半端なコメディ風お仕事ドラマだと思っていたら、実はしっかりとした展開があり、毎回ほろりとさせられた。研修医とその指導医の両方の立場がよく理解でき、研修医の成長がほほえましかった。
ネットで見ていて一番評価が高かった『御上先生』は、おもしろくなかったわけではないが、不満も残った。一番はリアリティがないということである。いくらなんでもあんなので人を殺すとは思えないのだ。しかも文科省をばかにしすぎ。文科省にはいろいろ文句はあるが、あそこまで馬鹿ではない。なんでもかんでも陰謀論にしてしまったらトランプと同じだ。
4月ドラマも始まった。『対岸の家事』はかなりよいスタートだった。ドラマ制作のみなさん、期待しています。