選択的夫婦別姓にいまだに根強い反対がある。この人たちの主張が理解不能である。
法務省のホームページを見ると、選択的夫婦別姓制度に反対する意見として次の3点があげられている。
(1)夫婦同氏が日本社会に定着した制度であること
(2)氏は個人の自由の問題ではなく、公的制度の問題であること
(3)家族が同氏となることで夫婦・家族の一体感が生まれ、子の利益にも資すること
⑴に関しては、確かに日本社会に定着してきたのは事実であるが、これは男女格差が歴然としてあったかつての日本において定着してきたものである。現在の男女平等の社会の中においては、疑問に感じる人が、あるいは苦しんでいる人もいるのであり、このまま「定着」しているという状態を維持できるような状態ではない。
⑵に関しては、個人の幸福のために制度は確立していくものなのであり、制度が個人の幸福を圧迫していく状態になっているのだから、制度を改革していくのは当然である。年金制度の改革が必要なのも同じ理由によるものであろう。
⑶については、ある程度理解できなくともないが、家族の形まで国に命じられているようで、不快に思う人もいる。これは人間の自由を制限するものでもある。日本の伝統的な家族観が好きな人、それを当然と思う人がいるのは認める。そういう人はこれまで通りでいいのである。しかし、家同士の問題で結婚ができないとか、子供ができないとか、いろいろな異名で家族の一体感に対して、違和感を抱かざるを得ない人だってたくさんいるのである。そういう人たちは、古い価値観を無理やり押し付けられて毎日苦しい思いをしているのである。伝統的価値観の意義は十分尊重しながらも、それは強制されるべきものではないはずだ。
選択的夫婦別姓に反対する人たちは、もっと現実に苦しんでいる人たちの気持ちに寄り添う必要がある。
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