映画『茜色に焼かれて』を見ました。生きにくい世の中でも生きていくしかない。そこにある人間の強さに感動させられます。
(あらすじ)
田中良子は夫がロック歌手であった夫が交通事故で亡くなる。その交通事故の加害者は政治家であり、アルツハイマーであったということで無罪になる。良子は加害者があやまらなかったために意地をはり見舞金を受け取らない。7年が過ぎ、良子は生きづらい世の中で逆風にさらされながらも、13歳になる息子・純平)の前では胸に抱えた哀しみや怒りを見せずに気丈に振る舞っていた。一方の純平も、屈辱的な出来事に耐えながら母を気遣っている。二人には次々に困難が襲い掛かるが、生きていくしかなかった。
田中良子は夫がロック歌手であった夫が交通事故で亡くなる。その交通事故の加害者は政治家であり、アルツハイマーであったということで無罪になる。良子は加害者があやまらなかったために意地をはり見舞金を受け取らない。7年が過ぎ、良子は生きづらい世の中で逆風にさらされながらも、13歳になる息子・純平)の前では胸に抱えた哀しみや怒りを見せずに気丈に振る舞っていた。一方の純平も、屈辱的な出来事に耐えながら母を気遣っている。二人には次々に困難が襲い掛かるが、生きていくしかなかった。
世の中には法律やルールがある。しかし時としてそのルールは権力者の意志によって弱者を苦しめるよう使用される。そこには人間としての筋がない。筋を通して生きていくと壁にぶつかる。しかしそこで負けて筋を通すのをやめてしまったら人間としての尊厳を失ってしまうのだ。主人公はルールに対する違和感を覚えながらも、尊厳を失わない生き方を貫こうとする。だから生きにくい。しかし美しい。
主人公には次々と困難が襲い掛かる。くじけそうな困難ばかりだ。しかしそんなつらさを理解できる人間はいるのである。そんな人が助けてくれる。それこそが人間性である。主人公を助ける人たちにそんな人間性の美しさを感じる。
気付けば、世の中には弱者しかいないことに気が付かされる。すべての人間が強くない。それに気が付けばもっと心が通じることができるはずなのだ。
社会はもっと理に適ったものだと思って生きていた。しかし年をとればとるほど理不尽さばかり目につくようになってきた。社会の現実がいやになる一方である。そんな中で「正しい」生き方をしている主人公や、その周りの人たちの心遣いは、心に「正義」を植え付けてくれる。
とてもいい映画でした。