岩手県の大船渡高校の佐々木投手が、夏の高校野球の県大会の決勝で登板しなかったことが物議をかもしている。これに関しては外野があれこれ言うことではあるまい。当事者が悩んで行った判断を、周りの人間が平気であれこれ批判するなんてあってはいけないことだ。
ただし、日本の部活動のありかたについてはそろそろ本気で改革してほしい。真夏に毎日試合があるなんて、高校生をつぶしているだけだ。高校生レベルでそこまでする必要があるはずない。さらには勝利至上主義によってレベルが上がり、過酷さがましてきた現状でこのような大会形式がふさわしいはずがない。どうしてもトーナメントで行わなければいけないのならば、期間をもっと長くして、余裕のある日程にすればいいだけだ。
そもそも高校の部活動は大人の都合で行われている傾向が強い。部活動自体が悪いわけではない。常識の範囲内での部活動ならば、生徒に自主性と協調性とを身に着けさせるすばらしい教育活動である。ところが勝利至上主義になってしまい、大人の思惑で無理な部活動を行わせている学校がいまだに多い。そういう学校はエスカレートしていくだけだ。勝つことの快感を覚えてしまった指導者は、そこから抜け出すことができなくなっているのである。
「勝利」の呪縛から解かれた状態で、冷静に部活動のありかたを考えていかなければならない。