まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

目からウロコが落ちる印刷機でのA4印刷

2015-11-06 09:55:49 | グローバル・エシックス
大学で印刷しようと思って印刷室に行き印刷機の前に立つと、こんな光景によく出くわします。



ここは印刷用紙を置く台で、用紙の大きさに合わせてストッパーの位置を変えられます。

ストッパーがこの位置にあるということは、私の前にこの印刷機を使った人は、

A4サイズの印刷をしたということなのでしょう。

こういう感じです。



このようにA4用紙を横に置いてストッパーで止めて印刷をしたものと思われます。

A4の印刷をするときはフツーこうしますよね。

私もこのようにして印刷していました、以前は。

ところがある日、共生システム理工学類のN先生と印刷室で隣り合わせたときに、

(うちの印刷室は、人間発達文化学類と共生システム理工学類の共用)

私がA4の印刷をしている様子を見て彼はこう言ってきたのです。

「なんで人間発達の人たちはA4の印刷するとき紙をそうやって置くかなあ?

 そんなことしたらマスターがもったいないじゃないか。」

私は何を咎められているのか意味がわかりませんでした。

A4の場合は先のように紙を横に置くのが当たり前と思っていましたし、

写真ではたぶん見えないと思いますが、ストッパーの横に白で線と文字が書かれていて、

A4の場合のストッパー位置が記されており、それにきちんと従ってもいたからです。

いぶかる私に対してN先生は 「こう置けばいいんだよ」 と実地に示して教えてくれました。



ストッパーをA3の位置にずらし、A4用紙を縦に置いたのです。

もちろんこれに合わせて原稿のほうも縦に置かなくてはなりません。

こうやって印刷すると印刷機のマスターの消費量が少なくてすむというのです。

マスターというのは印刷をするときの元となる 「版」 のことです。

現在のように印刷がデジタル化される前は、半透明のフィルムに手で直接書き、

ガリ版で1枚1枚刷ったりしていたものです (『コクリコ坂から』 参照)。

その半透明のフィルムがマスターです。

時々印刷機が 「マスターを捨ててください」 と言ってくることがあるので、

先ほどの台の上方にある使用済みマスター入れを取り出してゴミを捨てたことがあるでしょう。

あのゴミが印刷工程の中核部分であり消耗品でもあるわけですが、けっこう高価なのです。

現在のデジタル印刷機は外見上はコピー機とほとんど大差なく、

若干時間がかかることを除けば、コピー機と同じように使用することも可能ですが、

コピー機とはまったく仕組みが違います。

コピー機の場合は1枚いくらというふうに1枚単位でプリントしていますが、

印刷機はマスター (版) を作成しているので、それを使って大量に印刷しないと元がとれないのです。

印刷室に 「20部未満の印刷の場合は印刷機を使用しないでください」

という掲示が出されているのはそのためです。

たまに学生がほんの数枚の印刷に印刷機を使っていることがあり、

それを見つけたら私は必ずやめさせるようにしていますが、それぐらいマスターは貴重なのです。

と、そこまでわかっている私が長い間ずっとA4用紙を横に置いて印刷していたのです。

教えられて目からウロコが落ちました。

A4サイズというのは210mm×297mmです。

これを横に置くか縦に置くかで毎回87mm分もマスターの消費量が変わってきます。

A4を4回印刷するだけで、もう1回よけいに印刷できてオツリが来るほどの節約が可能です。

これをみんなで実践したらけっこうな量の節約になるじゃないですか。

以前にもこんなビックリを味わったことがありますが、自分の常識が覆される経験っていいですね。

私もこういうオルターナティブ (別の選択肢) を人に示すことのできる、

カッコいい大人になりたいものです。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
どっちが縦? (野澤 睦雄)
2015-11-10 08:34:43
最初写真の向きを縦、後の写真の向きをだと思ってました。感覚ずれにおや!と思いまして・・。朝からfaicebook覗いたりして・・。
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危惧していたとおり (まさおさま)
2015-11-10 09:13:41
野澤 睦雄さん、コメントありがとうございました。
ご指摘の点は自分で書きながらも誤解の恐れがあるなあと危惧していたところでした。
今度、写真を撮り直して差し替えてみたいと思います。
ご指摘、どうもありがとうございました。
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写真差し替え (まさおさま)
2015-11-10 12:06:20
当初投稿したときは斜めの角度から撮影した写真を用いていたために、
縦と横の意味がわかりにくいという御指摘をいただきましたので写真を差し替えてみました。
これで少しはわかりやすくなったでしょうか?
まあ、どのように撮影しようと、何に対して何を縦とか横と呼ぶのかは見る人次第ですので、
完全に誤解のない表現というのはありえないのでしょう。
いちおう今回は、機械に対してとか用紙の縦横ではなく、
写真のなかで横に写っているか縦に写っているかという観点でご覧いただければと思います。
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実は (Unknown)
2016-12-13 19:27:07
縦に置こうが、横に置こうが、A3だろうがハガキサイズだろうが、1回の製版で、中のドラム1周分のマスターを使います。ドラムを引き出してみてみましょう。
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Unknown (Unknown)
2017-08-31 21:27:03
残念ながら、意味がないです。
Unknownさんが書かれているとおり、印刷機では1回に使うマスターの長さは原稿に対応していません。常にA3サイズでマスターが消費されます。
よって原稿縦置きだと、A3サイズでドラムに巻き取られた半分のみ製版されて、残り半分はドラムに巻き取られているのに使われないというもったいない状態になります。

さて、そんな謎な印刷機なんですが、私の職場の印刷機はなぜかA3対応のはずなのに、A3原稿を印刷すると右端6cmが切れます。A3の印刷機で、A3の表示があるのに、B4が限界なのです。
正直なところ、印刷機は嫌いです。トナー式コピー機の方がずっと素直で便利です。文字もきれいに出ますし。
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情報修正ありがとうございました (まさおさま)
2017-11-07 15:18:52
Unknownさん、Unknownさん、コメントありがとうございました。
私の間違った情報を正していただきたいへん感謝しております。
理系の先生から教えられたので、ついそのまま信じてしまいました。
何でも疑うことの重要性を唱えている私としたことが、お恥ずかしいかぎりです。
この記事は削除すべきかもしれませんが、
自身への戒めとして当面このままにしておくことにいたします。
皆さま、これを読んで鵜呑みになさいませんように。
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