まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

嶋津武仁教授退任記念演奏会

2014-12-24 09:33:41 | 人間文化論
先日告知した福島大学管弦楽団の定期演奏会に行ってきました。
いろいろ問題が発生して開演に間に合うか危なかったんですが、
ギリギリで最初から全部聴くことができました。
(その件はまた別稿でお知らせいたします)

さて、今回の定期演奏会は嶋津武仁先生の退任記念演奏会となっていました。
当日配布されたパンフレットには嶋津先生御本人のご挨拶が記されていました。
その一部を御本人の許可を得てここに転載させていただきます。

「これまで30年、学生たちとの距離感は、時代時代で多少は異なりましたが、
 団員にとって、常に一番話しやすい教員でありたいと願ってきました。
 大学のサークルの顧問は、多くの場合そのサークルとは名前だけの、
 あるいは活動の保証人のような立場ですが、私の場合、音楽的な指導も行ってきました。
 十数回の演奏会で指揮を行いましたし、練習には月1回ぐらいは付き合おうと心掛けてきました。
 また合宿にも参加し、よくカレーを一緒に食べたことが思い出されます。
 いろんな問題、課題にも一緒に取り組んでくることができたと思います。」

小中高の先生方には信じられないかもしれないかもしれませんが、
大学のサークルの顧問ってこんなに厚い付き合い方をしたりはしません。
フツーはハンコを押すだけの付き合いです。
中にはハンコを押すだけの関わりすらもたない人もいるのです。
しかし、嶋津先生はそうではありませんでした。
だからこそ今回の演奏会は 「嶋津武仁教授退任記念」 と位置づけられることになったわけです。

今回の演奏会は前半が3曲、後半がドヴォルザークの 「新世界より」 でした。
私は 「新世界より」 しか知りませんでしたが、前半の3曲も素晴らしい演奏でした。
そのうちの1曲目が嶋津先生作曲の 「交響ラプソディー 西から、東から」 でした。
和太鼓などが使われ、旋律も和な感じの曲でしたが、
パンフレットの曲目解説では嶋津先生御本人がこのように書いていらっしゃいました。

「この作品は元々、小学生のオーケストラのために作曲したものです。あの大震災の後、福島の未来を託す子供達に、音楽を通じて、楽しく希望の持てる未来へのメッセージを送るためのものでした。
 作品は 『祈り』 から始まります。そして、徐々にこの作品の主題となる2つの福島の 『民謡』、すなわち 『会津磐梯山』 と 『相馬盆歌』 が、単独あるいは重なり合って展開します。国道で言えば、西と東に115号線で繋ぐというもので、その真ん中に 『福島市』 があります。この街はそういう位置にあります。震災後いやそれ以前から、ややもすると異なる地域感を感じさせるこれらの地域が、この震災においても、立場や環境の違いを示してきていると思うことがあります。この国道に象徴されるように、大きな災害の後に、西からそして東からと強く結びつきあい、ともに助け合い、温かく励まし合い、しっかりと協力しながら困難な時代を乗り越えなければならないのではないかと、痛切に感じております。この作品の楽天的な響きの後ろに、そんなメッセージを読み取っていただければ幸いです。」

まさにこの解説通りの未来への希望を感じさせる曲でした。
演奏終了後、嶋津先生に花束と盛大な拍手が送られました。
この写真はマナーカメラで撮ったのでほとんど嶋津先生のお姿は確認できませんが…。



私は素人なので演奏の良し悪しとかまったくわかりませんが、
この曲を含め今回の演奏はどれも素晴らしく、今までで一番心に残る演奏会でした。
嶋津先生、長い間お疲れさまでした。
そして、ありがとうございました。
これからも素敵な曲を作り続けてください。