本の読み方の設計図。

本の構造を明らかにしていく。
論拠・主張

論証=事例、引用。

小説045 : reProfesional #116

2008-11-04 22:14:50 | reProfesional
chapter#45 変化

高揚感が訪れた。ボクは変化への希望を見出したからだ。
幸福を追い求める、その行為はその目的とするところが、一時的なものであり、恒久的なものであり、いずれにしても、変化への期待から幸福感の予兆は訪れる。

人は、多かれ少なかれ、変わりたいという願望を持っている。現状のままでいたいという人間は、よっぽど幸福な環境に身をおく人間以外にそう多くないのではないかと思う。
日々訪れる喜怒哀楽。ボク等は、感情とともに生きている。今そこにある感情を何とかしたい、そういう思いで、その時々でなにかしらの行動を起こす。
でも、たいがい、取ろうと、疲労だけが残り、ボク等は、自分の力だけではたいしたことが出来ないという感情の苦味を再度味わうこととなる。
お願い、だれか、ボクのこの恵まれない現状を変えて、でも、ボクには、どういう風に自分が変わりたいかということがいまいちはっきりわからないんだ。

そういう不安定な状態で、ボク等は今日も、明日も生きている。満たされた幸福な状態というのは、次なる変化への予兆である。
老婆は、人の不幸を躍起になって望んでいる。
人は、だれしも、その現実から、逃れたいと思うし、その現状を少しでも、よい方向に持っていければ、どれだけ自分が幸せになるのだろうかという甘い希望を抱く。

生チョコレート。
まさに、それは、ボク等人間の精神状態に似ているだろう。変化に対する期待は、すぐに、刺激を受け、溶解をはじめる。
幸せはたちまち、ひとつの刺激で、不幸という別の物質に様変わりを始める。
一度とろけだした、感情は、もう元には戻らない。
凝固をこころみて、熱を冷やしてみたところで、元通りではない、醜い形で、また感情は再生される。

生まれたてのカカオ。
ボク等は、みんな純真な香ばしい味とともに、生を授かる。でも、だれもそれを恒久的には許してくれない。
ただ、そこに生きる人間には、重力が働く。

なんでだろう。
ボクは、強く疑問に思う。被害者意識とか、そういうことではないと思うが、社会という枠組みが出来たとたん、強者と弱者という枠組みが出来、自分を強者の側に置くことを試み、弱者を排斥しようとする。
強者は、弱者がより弱くなることを望み、自分の手中に収められるように望み、圧力をかける。
弱者は、強者からの脱出を望み、幸せな状態を望む。

なんでだろう。
強者が弱者をより弱く出来たとしても、恒久的に作り出される弱者、強者の関係の中では、彼も永遠に強者に支配される弱者という立場は自然的に再生されるであろうし、自分が本当の強者であるなら、何も、自分に対して、弱者を創造する必要もない。
弱者が、弱者である限り、いくら逃げても、また強者により、生命の本質を虐げられるということは何も代わらない。

人間は、自ら、なかなか自分の本質をいじりたがらない。本質を変えて、本当の幸せというものが手に入ることでの利益よりも、本質を変えることの怠惰さに負けて、結局、不幸せという現状の幸福で満足をする。
結局、誰も自分を変化させることは出来ない。
変化の拠点となるのは、結局、自分でしかないという事実になかなか人間は気づかないし、気づいても、たいした価値を払わない。

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