本の読み方の設計図。

本の構造を明らかにしていく。
論拠・主張

論証=事例、引用。

小説043 : reProfesional#114

2008-11-02 00:55:37 | reProfesional
chapter#43 発泡性飲料

おそらく、ボクは思うのだが、全うな人間である限り、ボク達人間は、恒常的に幸福を求める方向性へとそのベクトルを仕向けられている。
もしくは、仕向けようとしているというと、強制の意味合いが出てくるが、少なくとも、自らの定義の中で、幸福を追求しようとする。

なぜ、性的欲求が生じるのであろうか?
それが、愛する人への犠牲を払うということを罪悪感として感じいても、ボク等はときに、性的欲望に対して、隷属的な態度をとることになる。
性的欲望とは、発泡性の飲料のように、決して、そのフロスは途切れることなく、エロティックなボトルの中で生じ続けるという性質のものではないかと思う。
性的欲望を制御したほうがよいと思ったときに、ボク等は、それを制御するだけの理性を与えられているということが人間と、それ以外の動物を分けるという点であろうが、人間の動物より劣っている点というのは、各人のフェティシズムとも、大きく関連するであろうが、基本的に季節と関係なく、一年中その欲望を開花することが出来る。

性的欲望の大きな源泉は、僕が思うに幸福ということにあるのではないだろうかと思う。グリーンスパンのベネチアでの回想からも導き出せることではあるが、ボク等は、性的欲求の中に過去を見る。性的経験を通じて、快楽、幸福という体験を復元しようと、もしくは、そこにあるはずの幸福、快楽というものをいったん現在の自分から離れることで、味わおうとする。
性的体験の中に身をおいているときは、ボクは無条件で幸福感に浸れると思う。
一時的幸福感、そのときだけを全面的に幸福感に浸すタイプのそれである。

発泡性飲料がそうであるように、開栓まえに、つよく待機を余儀なくされた性的欲望は説きに、爆発をする。
幸福への渇望が性的権化として現れるのである。
性的体験のさなかに身をおく、その間は、確かに、幸福感に包まれる。
しかし、いったんそれが、爆発的に、精液という自己の本質を女性に対して、放出された後には、男性は極端に欲望のボルテージが納まってしまう。
我に戻るということであろう。

人間というのは、今ここにあるべき自分と、今の自分を否定したい、今の自分という重圧から、逃れたいという欲求の交錯の中で、何とか、その存在を維持している。
一時的幸福への逃避。
性的欲求の本質は、そのようにも、描けるのではないかと思う。

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