本の読み方の設計図。

本の構造を明らかにしていく。
論拠・主張

論証=事例、引用。

インスタグラムをサイエンスする。

2019-03-17 17:54:18 | 2019年始動。革命のスタート。
インスタグラムと現代視覚文化論 レフ・マノヴィッチのカルチュラル・アナリティクスをめぐって
クリエーター情報なし
ビー・エヌ・エヌ新社

インスタグラムと現代視覚文化
レフ•マノヴィッチ   lev manovich

計16カ国、1500万枚のインスタグラム投稿の分析。
インスタグラムは人生の一部を共有するための、ライフスタイル雑誌のようなものというのを学術的に研究したもの。

0書き出し★★★★★
★ ★★★★実際「写真」というものなど存在していたのだろうか?124(R)
⇒実際さまざまな「写真」のあり方を一括りにして共通項をとりだそうとすると、はたしてそんなものは存在するのか?

★★★★★写真は世界のありようにコメントするだけでなく,それをつくり出すのです。〜ジリンスカ 151(R)

本書:
数億人ものユーザーの大半を占める写真やフィードの特性に焦点を当てる。33

A★★★★★最初に。
初め側:
インスタグラムという今日のSNS文化を特徴付けるメディアを美術史、メディア研究,データサイエンスという複合的な視点から研究した本。

カルチャラル•アナリティクスという、広く人文学と理工学と学際領域を通じて,デジタル写真,すなわちデジタルメディアによる写真論を構築しようとするこの本。3

B;そもそもインスタグラムとは?★★★★★
インスタグラム:
共通のソーシャルメディアプラットフォームと文化的感性,視覚的美学によって結ばれた、若い世代のアイデンティティに分け入るための窓。12

◇ メディア史の文脈においてインスタグラムとは何なのか?18
インスタグラムが2010年10月6日に登場するまで、基本的にデスクトップを前提としたアプリばかりだった。19

0はじめに★★★★★2
<創設者の思い〜ケヴィン•シストロム>
私たちは、あなたが携帯電話のレンズを通して日々の瞬間をとらえる瞬間に発揮する創造性を刺激するような,シンプルなアプリの構築に取り組んできました。21

B使われ方:★★★★★
◇一般的インスタグラムノ使われ方=ホームモードの共有:
インスタグラムでされていること=消費者が一般的に,誕生日や家族の休日といった伝統的なイメージを共有すること。44
⇒最高の写真だけを共有するわけでもない。その代わりに彼らはインスタグラムを利用して知り合いを記録し,コミュニケートする。45

インスタグラムユーザーはスマートフォンで撮影された日々の活動記録を共有している。51

C具体論★★★★★
◇ 今日のインスタグラムノ写真にはどのような種類があり,20世紀の特に1960年以降のカラー写真が一般的になった時期の写真文化とは、いったいどのような関連があるのだろうか?52
Aカジュアル:全体の80%
ホームモードの写真:経験や状況を記録、共有し,人やグループを描写することにある。57

03★★★★★書き出し3
★★★カジュアルの美学:あなたのイメージが以前目にした多くの派像に似ていたら,それを撮りなさい。60

↑★★★今日のインスタグラムでは,多くのプロもファッションモデルの写真にカジュアルの美学が使われている、63


Bプロフェッショナル:全体の11%
20世紀に確立された良い写真の美学を目指している。53
⇒★★★★★ある特定の美学に沿った写真ことを指している。135
★★★★リアリスティックな写真82

書き出し00★★★★★↑
★ ★★★これまで見たことがあるイメージだったら,シャッターを押してはダメ。驚きをもたらすための最も良い方法はクリシエを避けること。〜アレクセイ•ブロドヴィッチ 38
※ クリシエ:使い古された陳腐化された表現

★★★いくつかのインスタグラムの写真は,適切な構図、焦点、グレースケール、カラーバランス,更には興味深い被写体という良い写真のすべてに従っている。68

Cデザイン:全体の9%
デザイン写真の投稿者は、より現代的でヒップでクールで都会的なライフスタイルの選択と、それに応じた美学を結びつけている。53
⇒インスタグラム写真と初期の写真誌との連続性と相違を明らかにするのに役立つからだ。54

近代的なグラフィックデザインの特徴も占有している。80

プロフェッショナル写真の特徴は開けた風景であり,デザイン写真の特異性は,モノのクローズアップや、顔や身体のディテールにある。81

<インスタグラムの使われ方>
日本以外では,人物,自然がほぼメイン
日本では、食べ物が49.6% 77

★ ★★人気のあるテーマも決して普遍のもではなく,地域によって異なる。78

C.各論★★★★★★
【instagramismインスタグラミズム】87
⇒強い視覚的美学と現代のクールな感性95
⇒★★★★★雰囲気や心の状態こそが、まさにインスタグラミズムのメッセージである。158
⇒★★★★私は,未来派,キュビスム、シュルレアリスムといった近代美術運動のアナロジーとしてインスタグラミズムという言葉を用いている。インスタグラミスムは、世界とその視覚言語に関する独自のビジョンを提示している。131

インスタグラムユーザーのかなりの部分が美学に大いに関心を抱いていることを指摘し、インスタグラムは、美的なビジュアルコミュニケーションのためにある。11(R)

★★★★

C各論の本質★★★★★★
論旨:★★★★★
インスタグラムは、美しく見える画像づくりを民主化した。87
インスタグラムは次第に,世界中の数大奥の洗練された若者たちが写真をみせあったり、アイデアや経験を語り,繋がり合うために使われるようになっていった。87

Dはじめに①の次に核心★★★★★
◎主張の核心★★★★★
<美的労働者としてのインスタグラマー>133
(ドラッカーの言葉を借りると)インスタグラマーを知識社会における知識労働者と考えることもできる。
私はその代わりに,美的労働者(aesthetic worker)と美的社会(aesthetic society)という新たな用語を提案したい。このような社会では、美しい画像,経験、スタイル、そしてユーザーインタラクションデザインの制作や表現が、経済的、社会的機能の中心となる。美的なものは,芸術の財ではなく,むしろ商業製品やサービスの財となるのである。133

★★★★★美的社会は,空間デザイナー、ユーザーエクスペリエンスデザイナー、建築家、写真家、モデル,スタイリストのようなデザインとメディア専門家、その他にも,インスタグラムやSNS•ブログプラットフォーム、メディア編集、クリエイション、分析ツールの評価に長けた個人を評価する。この文脈における使用とは成功するコンテンツ作成、コンテンツのプロモーション、フォロワーとのコミュニケーション、そして求められる目標を達成することを指している。133

Dインスタグラムノ特性★★★★★
<ポエティック•デザイン:語ることの拒否>96
⇒★★★★★行動よりもむしろ在ることーポエティック•デザインの中に何かメッセージがあるとしたら,まさにこれだ。104

若いインスタグラマーたちの実践から生まれた最上のイメージを、私たちは「ポエティック•デザイン」と呼んでいる。
⇒★★★★★被写体に直接ピントを合わせていない。私たちに、それらを売り込むようなことはしていない。雰囲気と気分が重要なのであって,小道具はそれほど重要ではない。97

★★★★★インスタグラミズムには、遅さや技巧、最小のディテールに対する配慮が必要とされる。105

D★★★★★★
★ ★★インスタグラミズムは「物語る(telling a story)」ことには関心がなく,写真の被写体という意味で特有の「主題」ととりあげてもいない。しかし同時に曖昧(blur)で、まるで表彰の意味機能をぼかしているかのようだ。それは何かを提示したり、表明したり,語ったり,説得しようとするものではない。91
★ ★★★ありふれたものは見つめるに真に値するという信念〜ギャリー•ウィノグランド他19(R)
Dの核心★★★★★
★ ★★★★社会的には表現者と見なされていない無数の人々表現としての写真やデザインの過去の蓄積からインスピレーションを受けて、集合的に創出しつつあるものであるからである。19(R)

<ミニマリストな美学>
アップル文化の影響もあり:
世界的なミニマリストな美学は,世界中のマーケティング担当者、消費者、およびクリエイターにとって、クールで、ヒップで、洗練され,現代的なものとされるようになり、それゆえに2000年代や2010年代に成長した都市部の若者の自己意識にとって、とくに重要なものとなった。108

★ ★★★★「メメントからモメントへ。」00の次に★★★★★
こうした写真は「瞬間モメント」としての価値を増し、他方で「形見メメント」としての価値は失うのである。59
死を思うような写真の在り方ではなく,その場限りの発話のような瞬間性の高いものを目指す。30(R)

<カルチャラル•アイデンティティ>★★★★
今日のカルチュラルアイデンティティは、小さな変化と微細な差異によって確立されている。98
⇒★★★★★今日の写真,特にインスタグラムというプラットフォームは,若い人たちに音楽と同じくらい独自のアイデンティティを創造する力を与えている。100
⇒★★★★★インスタグラムのようなデジタルカメラや編集、公開ツールは、こうしうた基本的なアイデンティティをさらに洗練させ、個性的にしていくためには欠かせないメカニズムを提供している。101

反対側:(以下R)

<日本におけるインスタグラムの歴史>★★★★★
風景⇒有名人⇒自撮り、イラスト
カタログから雑誌化
あこがれから、リアル、実用性へシフト

<認知科学と文化研究を接続するもの>
ロランバルトによる写真論『明るい部屋』
プンクトゥム:私的な気お気宇に基づいて見る者を突き刺しに来る細部。
⇒記憶や想起のプロセスに置いて、特定の心的イメージを遮断したり、配分したりすることを意味している。73

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