がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

育児中の医師 短時間勤務

2010年01月22日 | Weblog
2010年01月21日 23時46分42秒掲載

URL http://job.yomiuri.co.jp/news/ne_10011303.htm



「腕を鈍らせずに両立

 2008年12月に第1子を出産した眼科医の山田香代子さん(32)は09年4月、聖隷横浜病院(横浜市)の常勤医として仕事を再開した。もっとも、勤務は月・火・木曜の週3日。同じく子育て中で、こちらは火・水・金曜の週3日勤務の神尾美香子さん(32)と、仕事をシェア(分担)しているからだ。山田さんは「子どもが小さいとフルタイムの勤務は大変。今の働き方はありがたい」と話す。

 同病院は07年、「ジョブシェアリング」という雇用制度を導入した。基本的に常勤医1人分の業務を、2人の医師で手分けする制度だ。フルタイムの常勤医の週5日勤務に対し、ジョブシェア医師は週3日。その分、基本給もフルタイムの6割となる。「短時間勤務を認めることで、産後の職場復帰をしやすくする仕組みです」と、病院長の岩崎滋樹さんは説明する。

 待遇は常勤医で、同じ週3日勤務の非常勤医師と違って社会保険や福利厚生も受けられる。業務は外来の診察に加え、当直や呼び出しがあり、手術も行う。患者の主治医も共同で担当するので、患者側にとっても、2人の医師から意見を聞けるメリットがある。

 同病院には現在、7人のジョブシェア医師がおり、眼科のほか、小児科や麻酔科、放射線科で働いている。



ジョブシェアは、医師版の「ワークシェアリング」と言える。この言葉、日本では不況下で雇用を守るため、仕事の量が減った分を個々の従業員の労働時間を削減して調整するというイメージが強い。

 だが、日本総合研究所(東京)上席主任研究員の大野勝利さんによると、日本で話題に上るものは「雇用維持型(緊急避難型)ワークシェア」と呼ばれるワークシェアの一形態だ。「欧州ではむしろ、女性や高齢者など、労働時間に一定の制約がある人にも雇用機会を与える『多様就業型』が目立つ」と指摘する。ジョブシェアも、この多様就業型ワークシェアにあたる。

 医師のワークシェアを導入する病院は、ほかにも複数の事例がある。また、国立大学協会は09年3月、国立大学病院での女性医師の復帰支援策として、短時間勤務を希望する職員と非常勤職員を組み合わせた形でのワークシェア導入を提言した。



医療現場でワークシェアが求められる背景には、深刻な医師不足という社会問題がある。女性医師は20代医師の約36%を占めるが、30~40代に出産・育児などの理由で病院から離れる場合が多い。「医師は人の命を預かる専門職だけに、2~3年現場を離れると、そのブランクを大きな壁に感じ、なかなか戻って来られない」と大野さん。

 ワークシェアなら、自分の都合で労働時間を調整しながらも、医療技術の腕を鈍らせずにすむ。復職を断念する医師が減り、医師不足解消につながる可能性がある。

 医療現場に限らず、多様な働き方への対応は、多くの職場でニーズが高まる一方だ。だれもが仕事をしやすい手段として、従来のイメージと違う「前向きなワークシェア」が望まれる。

(2010年1月13日 読売新聞)」