がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

田原総一朗 × 田勢康弘(2) 検察からアメリカ発 金融危機までを語る

2009年04月15日 | Weblog
2009年04月15日 18時54分記載

URL http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090414/146367/?ml



「(前回記事はこちら )

 連載100回目を迎えた田原総一朗氏の「政財界 ここだけの話」。日経新聞客員コラムニストの田勢康弘氏を迎えた100回記念対談の第二弾をお届けする。小沢代表の秘書逮捕・起訴に踏み切った検察から、アメリカ発の金融危機までを自由に語ってもらった。


田原 今回、小沢さんの秘書が逮捕された事件では、いろいろなマスコミが検察のリークをそのまま新聞やテレビで流しています。裏も取らずに。いや、取れるはずがないのですが…。しかし、裏も取らずに検察のリークをそのまま載せてしまうということが、なぜ起きるのでしょう。

田勢 もう何十年も、検察の一方的なリークで新聞やテレビのニュースがつくられたりしているわけですが、思い出すのは、リクルート事件です。ニューヨークタイムスが「prosecutors' leaks」と書きました。これにはもう拍手してしまいましたよ。日本の新聞が「関係者の話で明らかになった」とか書く場合、主語が全くないでしょう。



「関係者」とは?




田原 今回の小沢事件の報道では、「検察関係者」と書かれています。「名前くらいは明らかにしろ」と思いますね。その「検察関係者」の言葉が、そのまま見出しになるわけです。田勢さんは新聞記者をされていましたが、今、新聞あるいは新聞記者の能力、または取材力が落ちているということを感じますか。

田勢 ニュースソースと取材側の関係で「ギブ・アンド・テイク」が全く成り立っていないのが、司法ジャーナリズム、検察担当記者と検察の関係だと思います。

田原 向こうからのギブばかりで、記者側からのギブがないと。

田勢 ええ。そこで人間関係が断ち切られると、原稿一本書けなくなるわけです。ですから、記者たちの関心は、検察の誰それがどの部署から回ってきたとか、司法試験に何年に受かったとかで、そうしたことは、自分の会社よりもよっぽどよく知っている。つまり、あの世界にどっぷりと浸かって価値感を共有しているけれど、情報操作をされているという自覚があまりないのではないでしょうか。

田原 今回の事件でも、小沢さんの元秘書で現議員の石川さん(石川知裕衆議院議員)が事情聴取を受けましたが、報道では受ける前からまるで犯人扱いですよ。がーっと書く。しかし、その次に元秘書で元議員だった高橋さん(高橋嘉信氏)が事情聴取を受けたときは、どこも書かなかった。それで私がいくつかの新聞やテレビに、なぜこんなに差があるのかと聞くと、実は検察が書くなとブレーキをかけたと言うのです。つまり、検察が書けと言えば裏を取れなくてもガンガン書く、書くなと言われるとパンとやめてしまう。こういうことは、司法記者の特徴で、ほかの政治部や経済部にはないのですか。

田勢 あんなことは、もうないですよね。検察の場合はルールがあって、特定された担当の幹部がいて、それ以外に取材に行くと記者クラブから除名されるとか、出入り禁止になるのです。つまり、皆、同じ人から同じ話を同じタイミングで聞いている。というよりは、聞かされていることになるのですね。それで事件が作られていきますから、裁判の結果に関わらず、(書かれた人は)そこで社会的なペナルティを受けてしまうわけです。

田原 これはもう言ってもいいのだと思うのですが、サンデープロジェクトにも出てくださった元検事の郷原信郎さんが「司法記者の友人が全く来なくなった、前はいっぱい来ていたのに」と言っています。どうしてかと聞くと、検察が「郷原のところにはもう行くな」と言っていると。言うことをよく聞くんですねえ。

田勢 それは、談合と同じですね。

田原 ええ。まさに談合です。

田勢 談合の取材をしている側が、談合しているというわけですか。最もかたくなにシステムを守っている、それが司法ジャーナリズムということですねえ。

(以下省略)」



調書漏えい、鑑定人の精神科医に有罪判決…奈良地裁

2009年04月15日 | Weblog
2009年04月15日 18時43分記載

URL http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090415-OYT1T00518.htm?from=nwla



「奈良県田原本町で2006年6月に起きた医師宅放火殺人を巡る調書漏えい事件で、加害少年(19)(中等少年院送致)の供述調書などを漏らしたとして、秘密漏示罪に問われた鑑定医の崎浜盛三被告(51)の判決が15日、奈良地裁であった。

 石川恭司裁判長は、崎浜被告に懲役4月、執行猶予3年(求刑・懲役6月)の有罪判決を言い渡した。

 最高裁によると、同罪での司法判断は、記録が確認できる1978年以降で初めて。

 公判で、崎浜被告は調書をフリージャーナリストの草薙(くさなぎ)厚子さん(44)に見せたことは認めたが、犯罪の成立要件を争い、無罪を主張した。

 秘密漏示罪は、医師や弁護士など特定の職業(身分)の人が、正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らした場合に適用される。

 精神鑑定が医師の業務かどうかについて、弁護側は「治療を目的としない精神鑑定は医師の業務にはあたらない」と争っていたが、石川裁判長は判決で、「精神鑑定は医師の業務にあたる」と認定した。

 漏えい行為に正当な理由があったかどうかについても判断。石川裁判長は「少年の利益を図るためのものとは言えず、取材に対する協力としても『正当な理由』があるとは認められない」とし、「少年がはられた『殺人者』というレッテルをはがすことや、少年の抱える広汎性発達障害に対する世間の認識と理解をただすためだった」などとする弁護側の主張を退けた。

 奈良地検は当初、草薙さんについて、崎浜被告の了解を得て本を出版した「身分なき共犯」にあたるとして捜査。しかし崎浜被告には、調書がそのまま出版される認識はなく、共犯関係が成立しないとして草薙さんを不起訴(嫌疑不十分)とした。

 公判では、草薙さんや講談社の幹部も証人として出廷し、証言が波紋を広げた。

 ◆調書漏えい事件の判決骨子◆

 ▽被告は「医師」で、精神鑑定は「業務」にあたる

 ▽供述調書などは保護される「秘密」にあたる

 ▽調書漏えいに「正当な理由」は認められない

 ▽少年と父親の告訴は有効

(2009年4月15日13時17分 読売新聞)」


報道機関が「奈良地検は当初、草薙さんについて、崎浜被告の了解を得て本を出版した「身分なき共犯」にあたるとして捜査。しかし崎浜被告には、調書がそのまま出版される認識はなく、共犯関係が成立しないとして草薙さんを不起訴(嫌疑不十分)とした。」なんて、検察の弁明みたいなことを書いてやる必要があんのかね。

内容にも疑問があって、崎浜被告人に調書がそのまま出版される認識があろうがなかろうが秘密漏示罪は成立するんであって(だから今日崎浜被告人には有罪判決が下されている)、正犯が成立するのに共犯は成立しないなんてのはおかしな話。草薙さんを奈良地検が起訴しなかったのには別の特別な理由があるはず。(少なくともジャーナリストだったらそう考えるべき。)


報道機関なら、地検の代弁なんかするべきじゃない。


調書漏えいの崎浜被告「後悔しない」、草薙さんは姿見せず

2009年04月15日 | Weblog
2009年04月15日 17時55分記載

URL http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090415-OYT1T00639.htm?from=nwla



「加害少年のプライバシーが記載された調書をジャーナリストに見せた行為に、有罪判決が出た。

 2006年の奈良県・医師宅放火殺人事件を巡る調書漏えい事件で、奈良地裁は15日、鑑定人で医師の崎浜盛三被告(51)に懲役4月、執行猶予3年を言い渡した。

 判決前、崎浜被告は「有罪になっても後悔しない」と語ったが、判決は「正当な理由は認められない」と指摘。調書を自著に引用したフリージャーナリストの草薙厚子さん(44)は法廷に姿を見せなかった。

 「草薙さんにだまされたという思いはあるが、調書を見せたことは間違っていない」。15日午前、京都市内の自宅を出た崎浜被告は淡々と話した。

 06年夏、草薙さんから「調書を見せてほしい」と持ちかけられた時、返事をためらった。ただ、精神鑑定した少年は「殺人者ではない」と確信し、少年へのレッテルをはがすため、広汎性発達障害を社会に理解してもらいたいと考え、調書を見せたという。

 しかし、調書がそのまま引用された本を見た時、「あぜんとした」。表紙に使われていたのは、少年がカレンダーに書いた「殺害計画表」。少年に殺意がなかったと強調したかったのに、逆の内容になっていた。公判では、「少年の更生に支障があるようなら残念だ」と述べた。

 崎浜被告は今も勤務先の民間病院で診療を行っているが、有罪が確定すれば医師免許を取り消される可能性もある。「それでも仕方ない。後悔はしていませんよ」と語り、奈良地裁へ向かった。

 一方、草薙厚子さんはこの日、判決は傍聴せず、記者会見を開く予定もない。

 草薙さんは捜査段階では情報源を明らかにしなかったが、今年1月の公判で「情報源は崎浜先生です」と認めた。理由について「事実関係を明らかにすることが崎浜先生の利益になると思った」と述べたが、ジャーナリストが取材源を明らかにするのは極めて異例で、波紋を呼んでいた。

(2009年4月15日15時39分 読売新聞)」


草薙さんが情報源を明らかにした時、読売は厳しく草薙さんを批判していたけど、バンキシャが誤報絡みで取材源を明らかにした時は批判してなかったね。バンキシャはジャーナリズムじゃないってことなのかな。