2007年10月04日記載
先日私が推薦した番組をご覧頂いた方は既にご存知のことと思うが、政府(厚生労働省)・自民党は、5年後までに現在38万床ある医療用ベッドを15万床にまで削減する予定である。削減した23万床のベッドは介護用に転換されるから、実質的にベッドは減らないというのが政府・自民党の説明である。詭弁・画餅もいいところである。
5年後には、行き場のなくなった病人が野外で死んだり、自宅に引き取った病人とともに自殺する家族が続出することだろう。
もう25年以上も前になるが、私が小学校低学年の頃、父方の祖母が要介護状態となった。当時は痴呆症や認知症というような言葉は使われておらず「ボケ老人」と呼ばれていた。「ボケ老人」となった祖母の介護はとても大変なものであった。当時は現在のような介護サービス制度はなく、父や母の苦労は大変なものであった。とりわけ父には、女子高等師範学校を出て、読書を趣味にしていた祖母(父から見たら母)のあまりの変貌ぶりが辛かったようである。
推薦した番組中で、母親の介護を経験した安藤和津は涙ながらに「地獄だ」と言っていた。私は自分で生き地獄を体験しているので介護生活を地獄だとまでは思わないが、地獄手前ぐらいまでではあると思う。
そのような地獄手前の介護の大変さ・見合わない報酬のために介護職に就いている人の離職率は非常に高い。施設も非常に不足している。そのような現実を知りながら、医療費削減のために政府・自民党は病床削減を強力に推し進めている。政治家・官僚特有の表現で誤魔化されてはいるが、政府・自民党が発しているメッセージは1つである。「病人・年寄りは死ね。」ということである。
このまま行けば、5年後には病人・年寄りは死ななければならない社会が来るのは確実である。私が保証する。