最近、電車の乗り降りで人をかき分けて乗降する人が見られます。
プラットオ-ムでのすれ違いでは、一歩待って通過ぎるようにしています。
立ち止まっても時間にして3,4秒のことです。
箱根勤行でも朝に住民の方に会ったときに「おはようございます。」と
挨拶をします。
5年ほど前に、NHKで江戸の話があったときに
江戸時代のことが興味を持ち本を買って勉強しました。
しばらく忘れていましたが、先日本箱の隅から出てきて読み直しました。
読んでいる内に、畑田先生の言われることが書かれいました。
この本だけでなく、江戸いぐさに関する本が何冊か発行されています。
江戸しぐさの真髄は4つ。
①目の前の人を仏の化身と思えること。
②時泥棒をしない。(他人の時間をむだにしない。)
③肩書きにとらわれない。
④遊び心をもっている。(文化など関心が高く、造詣が深い。)
目次を見ると沢山のしぐさがあります。
この中から4つほど
1.傘かしげ
2.肩引き
3.こぶしうかし
4.うかつあやまり
1。傘かしげ
これは、こちらの傘から落ちる雨のしずくが相手の肩にかからないように、傘を外側にかたむけるしぐさです。
相手がまったく傘をかたむけず、思い切りしずくをかけられことがあります。
「いいのよ」と許すのもまた、江戸しぐさなのです。
2。肩引き
せまい道で人が行きかうとき、肩がふれたりしないように、肩を後に引きます。
荷物を持ってすれちがう場合は、相手のじゃまにならないように、荷物を体の前にかかえるのも肩引きと同じことです。
3.こぶしうかし
江戸時代は船が出るのを待っている間、あとから人が乗ってくるたびに、こぶしをついて腰を浮かせ、席をつめていたことからこう呼びます。
席をつめてもらったら、感謝の言葉をわすれずに。
4。うかつあやまり
江戸しぐさでは、踏まれた人もあやまるのです。
自分もうかつだったことを認めたあやまるしぐさを「うかつあやまり」といいます。「こちらこそ、うっかりいたしました」というおわびの言葉ですが、相手への気づかいにあふれた江戸しぐさの代表としえます。
4つほど紹介しました、まだまだ沢山あります。
根本は、相手への思いやりですね。
なぜそれが無くなってしまったのでしょうか。
ホロトロピックネット-ワ-クの最近のメ-ルマガジンで
天外伺朗さんは、現代の時代を後期自我の時代と位置づけています。
そう自己顕示欲の強い時代と。
そして時代は、「成熟した自我」に変わろうとしていること。
そのときに、もう一度「江戸しぐさ」が見直されるのでしょうね。
この本で「お菓子と江戸しぐさ」と「江戸しぐさは平和のシンボル」のことを書いたエッセイの文章を転記します。
お菓子と江戸しぐさ
わたしたちの「江戸の良さを見なおす会」では、講の合間に、みんなで持ち寄ったお菓子を出します。それを「お菓子まわしの儀式」をしていただいています。これは、お菓子をあたえてくださった神仏への感謝をのべるとともに、持ってきてくれた人に礼をつくす儀式です。
お菓子を持ってきた人は、そのお菓子の材料や製造元、製造方法、購入先などのほか、昧や食べ方、栄養面や保存料のことなどをくわしく説明します。お菓子ひとつからさまざまな話が広がり、感謝せずに食べることはできない気持ちになります。感謝していただく、これも江戸しぐさといえると思います。
江戸庶民はお菓子好きでした。当時、お菓子を作るには厳重な審査や許可が必要で、お菓子を作ることを許された「御菓子司」には、なかなかなれなかったそうです。御菓子司の職人は身を清めてから、お菓子作りにかかるほど、真剣に取り組んでいたそうです。
江戸しぐさは平和のシンボル
わたしの江戸しぐさの師、芝先生は、「江戸しぐさは平和のシンボル」とおっしゃっていました。
たしかに江戸時代に入ってから二百年以上もの長い間、平和な時代が続きました。これほど長く平和が続くのは世界史をひもといても、たいへんめずらしいことです。戦後から続く平和はまだ六十年ちょっとですから、江戸時代に追いつくには二十三世紀まで平和が続かねばなりません。
こう考えると、長期にわたる平和がどれほどすばらしいことかわかりますね。
この平和な社会から生まれたのが江戸しぐさです。また、見方をかえれば、江戸しぐさの人間尊重の精神が、平和や治安をたもつのに役立ったともいえると思います。
現代ではどうでしょうか。学校でのいじめ問題で悲しい事件が多発しています。そこで江戸しぐさの登場です。
たとえば、「太っている」「やせている」などは江戸では動物の値段を決めるときに使う言葉であって、人間に対しては使いませんでした。外見を見ればわかるような言葉を、わざわざその人に向かって言うことも、江戸しぐさではいたしません。
また、江戸では、講を中心とした集団の中で、他人同士が契約兄弟の式という儀式を通して兄弟のちぎりを結び、他人同士でも家族以上の関係を作り上げていきました。
講に新人が入ってきたら、新しい家族が増えたようなつもりでむかえ入れる。兄貴分と弟分というような上下関係ではなく、弟や妹をほしいと母親にせがむ幼児が、待望の赤ちゃんを目にしたときのような、そんな気持ちでむかえるのです。
契約兄弟の関係や江戸しぐさを、ぜひみなさん流にアレンジしてみてください。いじめや人に危害を加えるような事件は、かならず減っていくと思っています。
ありがとうございました。
もう一度読み直して、自分を反省してみます。
でも真髄は、「人に対する優しさ」なのでしょうね。
少し長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
素晴らしいお話しですね。江戸時代は皆が日本人の心を持ち、幸せだったのでしょうね。感謝です。