おじさん山伏です

修験道の修行から見た心の散歩です。
アイヌのアシリ・レラさんからの命名です。
「キムン・マタギ」になりました。

冬のちっぽけな奥駆け修行その3 櫻本坊「前方便伝授会」

2013-02-28 | 旅行






櫻本坊の「前方便伝授会」は、午後1時から。
最初の予定では、午前4時に出立して
四寸岩まで勤行の予定。
でも残念、雪で山は無理。

急遽変更
7時の蔵王堂の勤行にあずかって金峯神社までに変更


蔵王堂の屋根に雪が残っています。




今朝は、一般の方は3名。
でも寒い。
回廊での般若心経はゆっくりと唱和しながら
ひとつひとつ仏様に深々と
お辞儀をしてゆっくりと歩きます。
おお足が冷たい!




護摩供は、奥の石柵の先で行います。

奥駆け修行は、朝の3時に出立。
10時間掛けて山上ケ岳に登拝します。

奥駆けでの最初の休憩所
約1時間ほど歩いて休憩を5分ほど取ります。
丁度、その場所に何かを祀ってあります。
長い歴史から体に負担が掛からないようにと
配慮されています。





遠くに蔵王堂が見えます。

途中、横川の覚範の首塚で勤行。



この階段を上ってきますが、今日は車道。



水分神社の少し前(みくまり)




民家の玄関先におひな様
粋でいいですね。









僕は、これに弱いんです。
でもうれしいなあ・・・

水分神社(みくりや)
江戸時代の国文学者 本居宣長は、
この神社の霊験により誕生したと言われ
三度もこの神社に詣でています。



新客さんは、お祓いを受けます。
また湯茶の接待も受けます。










中年のご夫婦がカメラ片手に。

これからは雪道。
轍の所は、氷。
新雪を踏みしめながら登ります。





金峯神社の修行門です。


藤森義信著「大峯奥駆道七十五靡」(なびき)は
何度も読み直しています。
本のなかに冬の修行門が載っています。
雪の修行門の状況を見たくて。
やっと見ました!!


丁度、タクシ-が来たので
「おじさん 待っててくれる」
「いいよ」と。


奥駆け道は、この右の道を上がります。
西行庵は、この先を右に行きます。


横の門をくぐり100m歩くと
けぬけ塔があります。
小さなお堂です。
新客さんは中に入り
真っ暗な中で手探りでぐるりと回っていると
いきなり「ガ-ン、ガ-ン、ガン」と大きな鐘の音。
びっくり!
け抜けは、一切の気を抜くと言われています。
でも奥駆け修行が始まったと気が引き締まります。






奥駆け道は、雪雪でした。

最後に修行門に向かって法螺貝。
タクシ-のおじさん
「いい音が出ていたよ。」
「ありがとう」と僕。
「ぶ-で1年」の修行です。

帰りはタクシ-でした。
早めに、櫻本坊に着きました。






豊峯講先達霊標に最高齢104才で22名
90才以上2人、80才以上6人、70才以上4人でみんな長寿ですね。













櫻本坊には、「聖天堂」があります。
「役行者が大峯山を開創したとき十一面観音を
本地とする歓喜天を大峯山中の「聖天の森」に
勧請して念持仏とした。

しかし、山中に祀られているため
老幼女人の参詣がかなわないために
櫻本坊第二世の角仁上人がこれを
吉野山に移してお祀りした。」

この秘仏は、毎年十月一日の
午前零時に開帳され大勢の信者が
参加して浴油秘法供が厳修されています。

象頭人身の男女が抱き合う
抱擁象がよく知られ、
諸難を除き富貴をうることができるという。
 (森沢義信著 大峯奥駆道七十五靡」から)
僕も一度はと思っています。



午後1時から「前方便伝授会」
前方便は、作法のまえにいろいろ浄化の儀式を学びます。

本堂に入るときに体を清めることが大切です。
門前(もんぜんびょう)を行って入堂するのが作法です。
 塗香(ずこう)  お香を体につけます。
 丁字(ちょうじ) 体の中を清めます。
  (密教で灌頂や勤行前の口内のお清めに乾燥した丁子を刻んだものを口に含み噛んで使用する。
   つまんで口に入れ、奥歯で噛んで飲み込みます。)
 酒水(しゅすい) 聖水で清めて貰います
 薫香(くんこう) 両足をお香で清めます。
   (香炉の上で片足づつ3回時計回りに清めます。)
五体投地を行います。
 「一心頂礼十方法界常住三宝」と唱えながら礼拝します。
 (いっしんちょうらい じっぽうほうかい じょうじゅうさんぽう)

 僕の尊敬する野口法蔵師は、
 この五体投地を400万回を達成しました。
 以前、ホロトロピックの会で、
 法蔵師の指導のもとに吉野で五体投地を100回
 行いましたが、膝が痛くなり大変でした。
 たった百回なのに。
 でも毎日百回を百日続けると自分の中に何かが・・・と。

護身法を行います。
 印形を結んで真言を唱えます。
 九字を切る前にも必ず行います。

その次に、前方便の作法を行います。
これでもかというほど浄化を行います。
煩悩に穢れ(けがれ)ているのが人間なのかも。



前方便の次第の一部です。



口伝と言われる理由が良く分かります。
院主さんから肌で伝わって来るものがあります。

夢見の櫻は櫻の時期には綺麗でしょうね。




無事に終わって、近鉄吉野駅で待っているときに
「うちださん バンリです。」と声を掛けられ
「あ バンリさん」とびっくり。

電車のなかで
冬の話の櫻が満開。
僕は、バンリさんのブログを楽しみに見ているので
話が尽きない。
今年も奥駆けに一緒にと約束。

バンリさんの護摩供の炎はすばらしい。
櫻本坊の第六十七世 巽 良仁院主さんです。(以降はbanriさんの写真です。)


(パソコンの右矢印を押していただくと全体が見えます。)

話のなかで炎が真っ直ぐ上ることにバンリさんもびっくりしたとか。




繞道祭@大神神社で
ご神火を三本の大松明に移し、
氏子達が三輪山麓の18ある摂社末社を駆け巡り、
各社で神事を執り行う。
ゆっくり行くもんやろ思ってたら、
暗闇の中5キロの道程を結構走らされました。
と聞きました。
でも話をしていて楽しそうでした。
いつのまにか
乗り換えの橿原神宮でした。


banriさんのブログに。
僕の金剛杖と手です。




吉野の旅の最後にバンリさんに会えるとは。
でもそれが旅の楽しみですね。

今回は、「柳の渡し」の83才のおばあちゃんから始まって
お終いは、バンリさん。
最高の旅でした。

ありがとうございました。
おばあちゃんいつまでも元気でね。

banriさんのブログです。   
  http://d.hatena.ne.jp/banriman/201302







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