新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

「ベンチスタート」批判

2015-09-14 07:03:01 | コラム
「ベンチスタート」って何のことだ:

私はマスコミのこのようなカタカナ語使用による長友への妙な気遣いが気に入らないので、例によって彼らマスコミの批判を。

今朝ほどテレ朝で、イタリアのセリアエアーなるサッカーのリーグ戦でインテル所属の長友が先発メンバーから外され、一人寂しくピッチの外を走っているところを映しだして「長友はベンチスタート」と報じた。この妙なカタカナ語を私は何度か「意味を為さないのみならず、英語には類似の表現すらない」と貶してきた。だが、今朝の長友の件は話が違うので、更に厳しく違反したくなった次第だ。

長友はインテルに転じてからあの文化が全く異なる世界で精進努力してポジションを獲得し、「世界一のサイドバックになる」を目指してきた。日本代表でも定位置がある。だが、インテルは今シーズンに入る前に言わば彼を「戦力外扱い」にし、何処かにトレードに出そうとしたが、結局は引き取り手がなく残留となり、気の毒にも11人の中での居場所を失った。この事実はネットに出たし我が国で報じられ、それほどの海外サッカーのファンでなくても承知してるのだ。

それにも拘わらず、テレ朝のみならず他のメディアでも、このような場合に何らかの作戦があって監督が先発から外したかのように思わせる「ベンチスタート」という何事も特定しないカタカナ語を使って、海外にいる者たちに気を遣ってみせる。私は不必要な報じ方と気遣いだと断じる。私は彼らマスメディアの使命は事実を正しく包み隠さず報じることだと考えている。それをせずに、妙なお為ごかしのカタカナ語を使う感覚は理解しがたいのだ。カタカナ語で報じれば慰めにでもなると思っているのか。

この「ベンチスタート」か「ベンチからのスタート」を何処の局か新聞社か解説者が言い出したかは知らないが、事実を正しく伝えていないだけではなく、おかしな英語擬きを使っている点でも罪があると言いたい。この手の言葉を使いたがる連中は妙に「スタート」を好み「スタートさせました」などと動詞の後に更に動きを示す言葉までつけている。直ちに止めるべきだし、その原稿を何の意識もなく読んでいるアナウンサーたちの英語の常識を疑いたくなる。


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