新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

好い加減にしようよ、カタカナ語を使うのは

2020-01-13 08:50:13 | コラム
カタカナ語排斥論者は諦めの心境:

先ほどもニュースでアパートの階下に住む者が、上の階の住人の騒音に腹を立てて「殺すしかない」と上がっていて刺殺したと伝えていた。被害者と容疑者の間には「騒音トラブル」があったそうだ。また、イランの革命防衛隊が誤射でウクライナの旅客機を墜落させて167名もの犠牲者を出した悲惨な事件も、当初はイラン側が「エンジントラブルがあった」と発表したと報道された。兎に角、我が親愛なるマスコミは何が何でも、何でもかんでも「トラブル」で括ってしまうのだ。中には「両者の間には金銭トラブルがあった」などという使われ方もある。


事ここに至れば、その結果として、英語を良く知っているはずだと自負している当方は、そもそも“trouble”とは如何なる事を意味しているかが解らなくなってしまった。この件はこれまでに何度も採り上げてきた。だが、流石の私も訳が解らなくなって、あらためてジーニアス英和辞典に訊いてみた。すると、そこに先ず出てきたのは「心配、苦労、悩み」だった。「騒音の心配」があって他人を刺殺するか。「飛行機のエンジンに苦労」があると爆発墜落するのかという問題だ。

念の為にOxfordも見てみると“a problem, worry, difficulty, etc. or a situation causing this”と出てくる。どうもカタカナ語の使われ方とは余り符合しないようだ。これなどはほんの一例に過ぎないが、マスコミは何を勘違いしたのか何でもかんでもカタカナ語を使って報道したいようだ。勿論、「これらのカタカナ語は最早日本語の一部だから、とやかく言うことはないのでは」と言う多くの方々のご意見は承知しているし、「使いたければご随意に」とも言って来た。

だが、世を挙げてか、文科省が狂っているのか知らないが、国際化の時代にあっては国民の英語力を強化しようとばかりに小学校の3年から英語を教えようと言い出している。だが、そのニュースを報じているテレビも新聞も何でもかんでも「トラブル」で表現して平然としている。外国人に“The guy stabbed him due to noise trouble.”と言って解って貰えるだろうか。本気で国民の英語能力を高めようと少しでも考えているのだったら、カタカナ語の乱用を慎むべきではないのかな。

そんなことを言っても無駄だと思うのだ。兎に角テレビに登場される知識階級であるはずの専門家たちは平然として「フリップを出して下さい」などと言うし、「セキュリティ」や「チケット」や「ホリデー」や「ウイン・ウイン」などと言うのだから堪らない。私は彼等がそれら誤ったカタカナ語であるとか使い方が間違っているとご存じではないとは思えないが、思うにテレビ局にそう言ってくれと指示か依頼されているのだと疑っている。文科省や英語学者は何故沈黙しているのかと言いたくもなる。当方は勿論「無駄な抵抗だ」と信じて言っているのだが。



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