新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

韓国の曽国法務部長官が辞任

2019-10-15 08:11:32 | コラム
辞任ではなく罷免では:

昨14日にテレビの画面に速報が出てきた時には「意外なこともあるものだ」と思わせられた。私がそう思った根拠は「曽国長官が辞任すること即ち、あれほど否定していた自らの罪科を認めることを意味するし、彼を強引に任命した文大統領は飽くまでも彼を庇い立てするものだ」と見ていたからだ。曽国氏は記者団に囲まれても無表情に辞任の弁を述べていたが、あの速報を見た途端に私に閃いたことは「文在寅大統領は泣きもせずに馬謖を斬ったのだろう」だった。何故か文大統領が慰留したという報道はなかった。後でリアルメーターでの支持率が41.4%にまで落ちたと報じられたが、そこには文大統領の自衛策の影が見えたのだった。

その結果如何なる事態が生じるかと言うべきか、文在寅大統領が如何なる手を打ってくるかには、色々と考え方があるだろう。その中で最も好ましくないのだろうことは、昨14日のPrime Newsで櫻井よしこさんが指摘しておられた曽国氏の置き土産かどうか知らないが、10月29日に韓国の国会に検察の全ての権限を奪うような「高官を取り調べる機関の設置案」が上程されると言うこと。これが可決されれば、文在寅大統領は三権のみならず検察権まで掌握してしまうことになるのだそうだ。その機関が我が国との関係に如何なる影響を及ぼすかに言及はなかった。

私は専門家の方々も報道機関も「韓国は民主主義国である」と規定されるのが不思議でならない。本当に民主主義を実践しているのであれば、国民自らが正当な選挙で選んだ大統領を大集団を作ってデモンストレーションをかけて追い落とすようなことを当たり前のようにするのだろうか。追い落とす前の選挙は何だったのかと何時も疑問に感じていた。曽国氏は国会議員ではなかったと思うが、あれほどの大人数のデモンストレーションをかけて「辞任せよ」や「罷免せよ」と圧力をかけるのが、果たして民主主義なのだろうかと疑っている。

櫻井よしこさんは何ヶ月前にPrime Newsで「文在寅大統領は大韓民国を破壊してDPRKとの統合を唯一無二の政治目的として掲げている売国の大統領である」とまで厳しく指摘された。その政治目的が些か怪しくなってきてしまった現時点で想定出来そうな権力維持の手法として最も簡単なことは、これまでの大統領たちが採ってきた「反日」と「抗日」の姿勢の一層の強化であろうと思う。彼は金正恩に突き放され、トランプ大統領には邪険に扱われ、国内の支持率が下がれば(櫻井よしこさんは別の調査では既に30%台に低迷と言われた)それくらいしか残っていないのではないか。

来週の22日の即位の礼には彼自身は出向くことなく李首相を差し向けるというのは、未だ未だ安倍総理と膝つき合わせて首脳会談をしようという領域にまで悟りが開けていないようだと見るしかないと思う。だが、その文在寅大統領が台風19号の被害と被害者にお見舞いの辞を送ってきたそうだ。仮令表面的な儀礼だったとしても、良心的ではあると思わせられる。だが、悲しいかな、私はその裏に如何なる意図があるのかと考えてしまうのだ。彼の善意を信じるのは時期尚早ではないか。



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