日本三大桜のひとつ、根尾谷の薄墨桜が宇野千代さんのおかげで現在があることを知り、おどろきました。
里見さんの那須の別荘で、小林秀雄さんから、根尾谷の樹齢1200年(1500年とも言われている)の薄墨桜がだいぶ弱っているという、話を聞いて、桜好きの宇野千代さんは、私が助けなければ、とすぐ岐阜に飛び、当時の県知事であった平野さんに直訴したのだそうです。その願いはかなえられ、若い桜の根を接ぐなどして、見事に再生したのだそうです。
このことを知ったのは、先日、図書館で偶然、手にとった地元の月刊誌”かまくら春秋”の中の、宇野千代さんの秘書であった藤江さんと伊藤玄二郎さんの対談記事からでした。ボクも、10数年も前ですが、名古屋で何かの集まりがあった帰りに、この名木を観に行ったことがあります。そのときも、その見事さに圧倒されましたが、最近、テレビで観た薄墨桜は、一層、華やかさを増しているように思えました。
その対談の中で、鎌倉小町通りの、お線香など香りのお店、鬼頭天薫堂で”宇野千代展”が開催されていることを知り、先日のぞいてきました。ミニ展覧会でしたが、これまで、よく知らなかった彼女の人生を垣間見ることができました。
宇野千代さんは、尾崎士郎、東郷青児、北原武夫さんらと、4回も結婚されましたが、いささかも恨みの感情をもたず、”別れは愉し”とふるまっていたそうです。
”しあわせって、桜のようなものよ。 ああ、今年も桜に会えた。ただそれだけのことなのに、ほっとして、しあわせな気分になるでしょう。私はいつか花咲婆さんになって、しあわせの種を籠いっぱいに入れて、ぱっぱっとまきたい” 彼女の言葉。
宇野千代さんの桜にちなんだ作品のほか、ボクも関心のある、数々の貴重な品も展示されていました。弟のように可愛がっていたという、骨董の目利き、青山二郎さんの遺品、師と仰いだ小林秀雄さんの”ゴッホの手紙”の生原稿、白洲正子さん、瀬戸内寂聴さん、それに、吉永小百合さんの手紙までありました。幅広い交友関係ですね。でもなぜ、小百合ちゃんかと不思議に思ったのですが、宇野さん原作の”おはん”の映画に主演されていたのでした。
この展覧会では紹介されていなかったようですが、女性初の芥川賞作家、中里恒子さんとは親友関係にあったようです。40通もの手紙が残っています(これは昨日、県立近代文学館で知りました)ボクは、小百合ちゃん主演の”時雨の記”を観てから、その中里さんの原作を読みましたが、その本の解説は宇野千代さんが担当していて、その文章から交友関係の深さがよく分かりました。そして、中里さんの葬儀では、自らからすすんで、生涯一度だけ弔辞を読まれたそうです。派手な宇野さん、地味な中里さん、正反対の性格のようですが、気があったのですね。
会場で販売していた、宇野千代さんの”薄墨の桜”を買い、今、読みはじめているところです。



里見さんの那須の別荘で、小林秀雄さんから、根尾谷の樹齢1200年(1500年とも言われている)の薄墨桜がだいぶ弱っているという、話を聞いて、桜好きの宇野千代さんは、私が助けなければ、とすぐ岐阜に飛び、当時の県知事であった平野さんに直訴したのだそうです。その願いはかなえられ、若い桜の根を接ぐなどして、見事に再生したのだそうです。
このことを知ったのは、先日、図書館で偶然、手にとった地元の月刊誌”かまくら春秋”の中の、宇野千代さんの秘書であった藤江さんと伊藤玄二郎さんの対談記事からでした。ボクも、10数年も前ですが、名古屋で何かの集まりがあった帰りに、この名木を観に行ったことがあります。そのときも、その見事さに圧倒されましたが、最近、テレビで観た薄墨桜は、一層、華やかさを増しているように思えました。
その対談の中で、鎌倉小町通りの、お線香など香りのお店、鬼頭天薫堂で”宇野千代展”が開催されていることを知り、先日のぞいてきました。ミニ展覧会でしたが、これまで、よく知らなかった彼女の人生を垣間見ることができました。
宇野千代さんは、尾崎士郎、東郷青児、北原武夫さんらと、4回も結婚されましたが、いささかも恨みの感情をもたず、”別れは愉し”とふるまっていたそうです。
”しあわせって、桜のようなものよ。 ああ、今年も桜に会えた。ただそれだけのことなのに、ほっとして、しあわせな気分になるでしょう。私はいつか花咲婆さんになって、しあわせの種を籠いっぱいに入れて、ぱっぱっとまきたい” 彼女の言葉。
宇野千代さんの桜にちなんだ作品のほか、ボクも関心のある、数々の貴重な品も展示されていました。弟のように可愛がっていたという、骨董の目利き、青山二郎さんの遺品、師と仰いだ小林秀雄さんの”ゴッホの手紙”の生原稿、白洲正子さん、瀬戸内寂聴さん、それに、吉永小百合さんの手紙までありました。幅広い交友関係ですね。でもなぜ、小百合ちゃんかと不思議に思ったのですが、宇野さん原作の”おはん”の映画に主演されていたのでした。
この展覧会では紹介されていなかったようですが、女性初の芥川賞作家、中里恒子さんとは親友関係にあったようです。40通もの手紙が残っています(これは昨日、県立近代文学館で知りました)ボクは、小百合ちゃん主演の”時雨の記”を観てから、その中里さんの原作を読みましたが、その本の解説は宇野千代さんが担当していて、その文章から交友関係の深さがよく分かりました。そして、中里さんの葬儀では、自らからすすんで、生涯一度だけ弔辞を読まれたそうです。派手な宇野さん、地味な中里さん、正反対の性格のようですが、気があったのですね。
会場で販売していた、宇野千代さんの”薄墨の桜”を買い、今、読みはじめているところです。



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