こんばんわ。
パリ五輪記事が続いていますが、今日は金メタルがストップしたので、展覧会の記録を主に。
東博で”神護寺展/空海と真言密教のはじまり”がはじまった。神護寺創建1200年記念でかつ、空海生誕1250年記念ということだ。
高雄の神護寺といえば紅葉。ぼくも紅葉狩りに行ったことはあるが、神護寺の寺宝をゆるりと見たことがなかった。今回、ご本尊さまはじめ国宝17件、重要文化財44件を含む密教美術の名品が約100件も上野まで来られているという。
会場内は写真撮影不可だし、重たい図録は買わない主義なので、まとめるに当たって、もう一つ参考資料が必要と思った。先日、逗子図書館で行って探し出したのがこの本。古寺巡礼・京都/神護寺(谷内弘照・川上弘美著)である。わかりやすく神護寺の歴史や寺宝の紹介をしている。写真もあるし、これも参考にしながらに記録しておこうと思う。
まず歴史。創建1200年という。第一の節目には和気清麻呂が登場する。平安遷都を行うべしと主張していた清麻呂は私寺として高雄山寺を建立し、同じころ国家安泰を祈願し、神願寺という官寺も建立した。
第二の節目が清麻呂の没後、息子たちが最澄と空海を高雄山寺に招き、ここで”灌頂(かんじょう)”という密教の儀式を行った。中国長安で密教の祖から直々に灌頂を受けていた空海が先輩格の最澄に灌頂を授けた。灌頂とは大きな曼荼羅(たくさんの仏が描かれている)に花を投げさせ、その人の宿縁となる仏を決める、その秘法を授けるというものである。最澄のほかに百人近くの僧も灌頂を受けていた。そのときの記録(灌頂歴名)もあり、空海自身が僧の名の下に宿縁と決まった仏の名を書き込んでいる。その後、高雄山寺は空海を中心に発展する。そして、私寺から官寺へ格上げされ、神願寺と合併し神護寺となった。
第三の節目。当事の鳥羽天皇の怒りを買い、本尊の薬師如来は雨ざらし、そのほかの仏像、寺宝は持ち出され、神護寺は荒廃した。そこに現れたのが文覚上人。頼朝に挙兵を進めた僧である。頼朝が天下をとったあと、神護寺再興に力をつくした。なるほど頼朝像があるわけだ。
本展は次のような筋立てになっている。
第1章 神護寺と高雄曼荼羅 (第1節 創世記の神護寺/空海 第2節 院政期の神護寺/文覚・後白河法皇・頼朝)
第2章 神護寺経と釈迦如来像 平安貴族の祈りと美意識
第3章 神護寺の隆盛 1節神護寺に伝わった中世文書と絵図の世界 2節密教空間を彩る美術工芸品
第4章 古典としての神護寺宝物
第5章 神護寺の彫刻
以下、本展の章立てにこだわらず、古寺巡礼・京都/神護寺(谷内弘照・川上弘美著)の写真も借用しながら、神護寺展を自分流に記録しておきたいと思う。
会場に入ると、最初に現れる紅葉の神護寺。むかしから紅葉の名所のようで、観楓図屏風(狩野秀頼)(室町~安土桃山時代)が迎えてくれる。
平安貴族の祈りと美の世界
創世記の神護寺の貴重な資料の筆頭はこれだろうか。
国宝・灌頂歴名(空海筆)平安時代 812 受法者名の下に各人が学んだ寺名・得仏名が注記される。のべ166人が記され,そのなかに最澄や和気真綱・仲世兄弟の名がある。三筆の一人、空海直筆の走り書きも見もの。
そのとき、使われた曼荼羅も230年振りに修理され、金剛界と胎蔵界の両曼荼羅が前後期に分けてが展示される。4メートル四方の大きさを誇る、空海在世時に制作された現存最古の両界曼荼羅、「高雄曼荼羅」と呼ばれる。修理後とは言っても、目を凝らさねば、描かれている仏像の姿は分からない。胎蔵界の真んの中に大日如来があり、空海自身の花はここに落ち、大日如来の戒を受けている。
国宝・高雄曼荼羅
赤味がかった紫の綾に、金泥と銀泥だけで描いている。彩色はなくとも、空海指導の下に描かれた軽く抑揚のあるのびやかな描線には、唐代絵画の優れた伝統がうかがわれる、という。これが、胎蔵界の一部拡大。諸尊の一つ。
国宝・山水屏風 灌頂の場で用いられた。(後期展展示だが、後期も行くつもりなのでここに入れた)
両界曼荼羅の開眼供養の様子。曼荼羅の大きさがわかる。
重文・弘法大師像
重文・大般若経 巻1 神護寺経と呼ばれる金泥で書かれた一切経
国宝・釈迦如来像 彩色の団花文にきらめく載金模様のうつくしい像。
卓球ニッポン奮戦
いい夢を。
曼荼羅に描かれた図、天空にて出現し観たことがあありとのこと、素晴らしい体験ですね。天賦の才をおもちですね。
今日は大谷選手出場です。33号が飛び出しそうです。
和気清麻呂・廣虫姉弟は、地元の生まれです。
近くに、産湯を使ったとされる、父の井・母の井があります。
中学時代、歴史の教師の教え方が上手く、以来想いは奈良時代へと。
それにしても、曼荼羅に描かれた図、天空にて出現し観たことがあります。
方角は、南西。
得も言われぬ花の香りと楽の音。
仏陀・観音菩薩・弥勒菩薩・普賢菩薩・・・
その光景、鮮明に視え覚醒するなり。
記載されたことに、胸の震えを覚えます。
ありがとうございます。