気ままに

大船での気ままな生活日誌

神坂雪佳と山本太郎の仕事 (京都十月の旅#4)

2015-10-26 17:32:13 | Weblog

京都駅ビルの長い長いエスカレータを上っていくと、伊勢丹・7階のフロアに、美術館えきKYOTOが現れる。そこでも、琳派400年記念の展覧会が開催されている。一杯飲んだあとの上機嫌で見物したこともあるが(汗)、なんとも、楽しい展覧会だった。”神坂雪佳と山本太郎の仕事”展で、お二人の琳派オマージュの作品が次々と現れて、つい、頬もゆるむ、気もゆるむ。

説明はいらない、みてもらえば、すぐ分かる。たとえば、山本太郎の作品。えっ!あ、あの、山本太郎さん!・・・ではありません。ぼくも知らなかったが、こうゆう人です。1974年、熊本県の生まれで、京都の造形芸術大に学んでいる。伝統と現代、異質な文化が同居する”ニッポン画”を提唱し、実践している。現在、秋田公立美術大の准教授も務める。議員さんには仲間はいません。ほっ!

では、山本太郎の風神雷神図屏風をご覧ください。マリオ&ルイージ屏風という画題がついているように、スーパーマリオのゲームキャラクターが風神、雷神を演じています。

そして、これは、”紅白紅白梅図屏風”。川の波も紅白なので、紅白紅白(笑)。ユーモアがいっぱいタイ!

神坂雪佳は、よく知られるように、琳派を近代から現代へ繋ぐキーパーソン。京都で明治、大正、昭和初期まで活躍した画家。ここでは、こんな作品も。

楽屋図

そして、お二人のカキツバタ競演!

神坂雪佳 ”八つ橋”

山本太郎 ”杜若家鴨図”

どうです、素晴らしいでしょ。京都へ行ったら、ぜひ覗くべし。新幹線を待っている間なんか、いいかも。

美術館を出ると、もう、日はとっぷりと暮れていた。お酒と楽しい絵画ですっかり酔ってしまい、京都タワーがふたつに見えた。


京都十月の旅、第一日目の展覧会巡りはこうして終わった。四展、観賞したが、それぞれ、とても良かった。翌日も、また豪華な展覧会が二つ待っているのだ!(つづく)

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レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展 (京都10月の旅#3)

2015-10-26 10:54:30 | Weblog

京都第一日目の展覧会の旅は、京博、堂本印象館と”琳派”が続いたが、三番目に訪れた三条高倉にある京都文化博物館は違う。光悦対宗達の競演に代わり、こちらはレオナルドとミケランジェロの幻の競演だ。この展覧会”レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展”は、八王子の富士美術館でこの夏、行われていたがうっかり見逃していた。それが、旅先で出会えて、幸運だった。レオナルド関連展だけは、はずしたくなかったのだ。

この展覧会は、とくにレオナルド真筆の名画がきているわけではない。フィレンツェの、シニョリーア宮殿(現パラッツォ・ヴェッキオ)の大広間の壁に描かれた壁画(現在は、別の壁画が重ねて描かれ、幻の壁画といわれている)の一部に違いないという戦争場面の板絵がきているのである。そして、レオナルド作品の横(向かいという説もある)にあった、ミケランジェロの壁画の下絵(摸写)も来日しているのである。

あのパラッツォ・ヴェッキオの中で、ルネッサンスの両雄が同じ場所で同じ時期に壁画を描いていたなんて、想像するだけでも楽しいではないか。どんな顔をして、お互いにどんな気持ちで壁に向かっていたのか。

まず、アンギアーリの戦いから。

作者不詳(レオナルド・ダ・ヴィンチに基づく)
《タヴォラ・ドーリア》(《アンギアーリの戦い》の軍旗争奪場面)
16世紀前半 油彩とテンペラ/板85.5×115.5 cm
ウフィツィ美術館(2012年、東京富士美術館より寄贈)

 対するカッシナの戦い

アリストーティレ・ダ・サンガッロ(本名バスティアーノ・ダ・サンガッロ)
《カッシナの戦い》(ミケランジェロの下絵による模写)
1542年 油彩/板 78.7×129 cm
ホウカム・ホール、レスター伯爵コレクション

ミケランジェロはすでにダビデ像を完成したあと、これに向かっていた。また、レオナルドはこのあと、以下のような聖女を描くことになる。この展覧会では、ウフィツィ美術館所蔵のレオナルドの摸写作品が展示されている。戦争もののあと、この絵があり、ほっとする。レダと白鳥(1500年頃の摸写、実物は不明となっている)と聖アンナと聖母子(実物はルーブル博物館で所蔵)

ウィキメディアによると、レオナルドの絵画作品(今回のように現存しないものも含め)は以下のようになる。

メドゥーサ受胎告知**、キリストの洗礼、 カーネーションの聖母ジネーヴラ・デ・ベンチの肖像ブノアの聖母東方三博士の礼拝荒野の聖ヒエロニムス**リッタの聖母岩窟の聖母(ルーヴル美術館展示版)、音楽家の肖像白貂を抱く貴婦人、**岩窟の聖母(ナショナル・ギャラリー展示版)、最後の晩餐、*ミラノの貴婦人の肖像、*救世主**糸車の聖母(2つのバージョン)、聖アンナと聖母子、モナ・リザ、†アンギアーリの戦いほつれ髪の女性、†レダと白鳥洗礼者聖ヨハネ
記号: *本人のと伝わる作品 - **共作 - †現存しない)

ぼくは、ロンドンナショナルギャラリールーブル博物館で”それぞれ、レオナルドダビンチ展”を見る機会があったので、観賞作品数は、十数点には、なっている。全制覇を目指してガンバロー!

ここの常設展もみて、そのあと、ぼくは、四条河原町の方へ歩き始めた。行き先は、午前中に行こうかと思っていた京都市学校歴史博物館。”近代京都画壇の名品にみる日本画/余白の美”展を開催していたので。それに館長上村淳之さんというから松園さんの旧宅だったのかな、なんて思いながら探したが、見つからなかった。もう、5時近くになったんで、深入りはせず、錦市場や新京極辺りをぶらついた

途中で、お腹もすいてきたので、居酒屋の有名店”酔心”に入った。いくつか肴を頼み、酒は横山大観も愛した広島銘酒”酔心”をいただく。京都で広島のお酒では、失礼と、〆はマッサンの、山崎のウイスキーにした。

いい機嫌で、京都駅に戻ったら、まだ、伊勢丹ビルの美術館”えき”が開いてるという。ここは翌日の予定だったが、長いエスカレーターを登って行ったのだった。(つづく)

 

 

コメント (2)
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