気ままに

大船での気ままな生活日誌

琳派のエッセンス/堂本印象美術館 (京都十月の旅#2)

2015-10-25 14:53:14 | Weblog

バス停の終点、立命館大学で降りると、印象深い造形の建物が目に飛び込んでくる。印象深いはずで、それが、堂本印象美術館である。原谷苑の枝垂れ桜を見に来るときは、必ず、ここを経由するので、いつか入ってみたいと思っていた。ここでも琳派400年記念の展覧会を開催していたので、計画に入れていたのだ。

展示室に向かう回廊の壁に、神坂雪桂の”百々世草”の木版画がずらりと並んでいる。琳派の装飾性を基盤にした、蔦、立波、春の田圃、牧童、八橋、巴の雪など、ほのぼのとした風景や草花、そして子供や動物が描かれている。そして、展示室には、堂本印象の六曲一隻の”風神”がどんと構えているが、どこに風神?というくらい抽象化されている。昭和30年くらいから抽象画を描くようになったとのこと。相棒の”雷神”は国外に逃亡中らしい(笑)。加山又造の”月と秋草”、さらに、福本繁樹らの”風神雷神図”もあり、まさに、”京都画壇にみる琳派のエッセンス”を垣間見ることができる。

復刻版の”光琳かるた”も一揃い置いてある。豪華なかるたで、実際のかるた遊びにはとても使えないだろうなと思った。縮小写真版はもらえたので、あとで、お裾分けを(笑)。新館には堂本印象の”栗鼠”、”鹿”そして墨彩の”宗達耕作図”が展示されている。古谷紅麟(写生草花模様)、川北霞峰(のうぜんかずら)、そして、竹内栖鳳(紅梅)、福田平八郎(松の実)の作品もあり、楽しませてもらった。

堂本印象(風神)、神坂雪桂(蔦)、同(立波)

福本繁樹(風神雷神図)、古谷紅麟(写生草花模様)、川北霞峰(のうぜんかずら)

光琳かるた(復刻版)

堂本印象美術館

そして、バスで引き返し、目指すは、三条高倉にある京都文化会館。(つづく)

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琳派/京を彩る 京博 (京都10月の旅#1)

2015-10-25 13:07:35 | Weblog

今度の一泊の京都旅で、6つの展覧会をみた。それも、琳派誕生400年記念で、おひざ元、京都で琳派関連の展覧会があちこちで開催されていて、ぼくがみた展覧会も、六つのうち、四つが”琳派展”だ。それらを訪れた順に感想文を書いていきたい。ただ、いつも言っているように(汗)、未投稿展覧会記事が溜まる一方なので、今回の京都編については、極力、要約して、覚書程度にしたい。

まず、最初に訪れたのは、京都国立博物館の”琳派/京を彩る”展。これを見たくて、急遽、今回の京都旅を決めた。とにかく、豪華な展示品にうっとり。年末のぼくの展覧会ベストテンのトップはMOAの琳派展に決まりと思っていたが、大変な強敵が現れたといったところ。

何といっても、宗達、光悦競演の”鶴下絵三十六歌仙和歌巻”。全巻、全長13.56メートルが初公開されている。素晴らしい出来栄えの宗達の鶴の下絵に、さすがの光悦も上気し、”光悦も筆の誤り”となったらしい。柿本人丸(麻呂)の人の字を抜かして、恥ずかしそうにそっと小さく付け加えている。それどころか、ある和歌まではずしてしまい、これも小さな字で隙間に書いている。そのときの緊迫感がびんびん伝わってくる。この作品をみただけで、もう満足。2008年の東博の”大琳派展”にも出展されていたが、そのときは前・後期で巻き替えとなっていた。

さて、風神雷神図屏風もすごい。宗達、光琳、抱一の屏風三点セットが並ぶ。その日は抱一さんはお休みで、翌々日からのお出ましとのこと。その代り、抱一の夏秋草図屏風がみられる。東博のときは、これに基一のを加えた4点セットだったが、そのときは宗達のが引っ込んでいた。だから、今回、宗達を見られて最高!なかなか勢揃いしたものが見られない。

お隣りの養源院さんから唐獅子図杉戸が来ていた。東博のときは象さんだった。どちらも、ここの方が立派に見える。宗達はこの頃から認められてきたらしい。

さらに、光琳と乾山のコラボ、江戸琳派の雄、抱一の八橋図屏風など、名品が所狭しと並べられる。もう、満腹になって外に出た。今年一番といってもいい豊饒の展覧会だった。

風神雷神図屏風 3点セット 宗達、光琳、抱一

宗達・光琳 夢のコラボ、鶴下絵三十六歌仙和歌巻

祇園で食べたにしんそば

そして、立命館大学行きのバスに乗った。終点で降りると・・・(つづく)

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京都二日目は美術展と庭と植物園

2015-10-25 09:55:24 | Weblog

おはようございます。京都二日目も早くから行動。駅前のホテルが朝食付きでなかったので、向かいの近鉄ビルの食堂で800円の和食。久しぶりに、ご飯に生卵をかけて食べ、元気はつらつおろなみん。今日は土曜日か!駅構内の、朝からこの人出にナットク。早速、地下鉄・市バス乗り放題チケットを買って、行動開始。

まずは、平安神宮の鳥居近くの京都市美術館に向かう。ここで、関東に先だって、フェルメールとレンブラント展/世界劇場・女性が開催されていて、今日がその初日。9時半前に到着するも、列がなし。一人もいない、と思ったら開館が9時だったのだ。待ち時間を覚悟していたのに、すいすいと見ることができ、話題の二作品もゆっくりとみられた。感想文はのちほと。

そして、向かいの京都国立近代美術館。ここでは琳派イメージ展。想像した以上の豪華な作品群で、大満足。前日に琳派展巡りをしているので、もう、琳派はこれでよし!と思った。はじめの予定では細見美術館も入れていたが、キャンセルし、南禅寺界隈の紅葉調査(笑)に出掛ける。途中で無鄰菴(むりんあん)に寄った。ここは、山縣有朋の別邸で七代目小川治兵衛作の庭がある。絵ばかりみていた目には庭の緑と池は新鮮で、まるで大きく深呼吸したようないい気持ちになる。結構、ゆっくりしてしまった。

南禅寺界隈にきたら、湯豆腐で一杯!と(汗)、八千代というお店に入った。喉をうるおし、腹ごしらえしてから、南禅寺の三門をくぐる。海老蔵の石川五右衛門を思い出した。荒唐無稽な話しだったが、面白かったなぁ。そして、いつも紅葉の出足が早い天授庵に入ろうとしたら、”本日休演”だった。でも、粋な白塀、見越しの楓が、もう色付いていたのには、切られの与三もびっくり。そうそう、この日、海老蔵が歌舞伎発祥の地、鴨川沿いで、35年振りの公演をしていたそうな。見損なってしもうた。

その代り、南禅院に入り、お庭の見物。そして、琵琶湖疎水の道を歩き、地下鉄の蹴上駅へ。ここから、北山駅まで行き、駅前の府立植物園へ。ここが大変なことになっていた。北山駅開業25周年記念日ということで、無料開放の日で、園内はお祭り騒ぎだった。琳派関連のオブジェもあったり、秋薔薇は見頃になっていたし、菊花展があったりで、楽しくて、結局、ここに、閉園までいてしまった。

もう一泊すれば良かったなぁと、あとで、ちょっぴり後悔する。奈良の正倉院展がこの日から始まったのだ。でも、チャンスはまだあるゾ、今週にでも。

 

 

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