バス停の終点、立命館大学で降りると、印象深い造形の建物が目に飛び込んでくる。印象深いはずで、それが、堂本印象美術館である。原谷苑の枝垂れ桜を見に来るときは、必ず、ここを経由するので、いつか入ってみたいと思っていた。ここでも琳派400年記念の展覧会を開催していたので、計画に入れていたのだ。
展示室に向かう回廊の壁に、神坂雪桂の”百々世草”の木版画がずらりと並んでいる。琳派の装飾性を基盤にした、蔦、立波、春の田圃、牧童、八橋、巴の雪など、ほのぼのとした風景や草花、そして子供や動物が描かれている。そして、展示室には、堂本印象の六曲一隻の”風神”がどんと構えているが、どこに風神?というくらい抽象化されている。昭和30年くらいから抽象画を描くようになったとのこと。相棒の”雷神”は国外に逃亡中らしい(笑)。加山又造の”月と秋草”、さらに、福本繁樹らの”風神雷神図”もあり、まさに、”京都画壇にみる琳派のエッセンス”を垣間見ることができる。
復刻版の”光琳かるた”も一揃い置いてある。豪華なかるたで、実際のかるた遊びにはとても使えないだろうなと思った。縮小写真版はもらえたので、あとで、お裾分けを(笑)。新館には堂本印象の”栗鼠”、”鹿”そして墨彩の”宗達耕作図”が展示されている。古谷紅麟(写生草花模様)、川北霞峰(のうぜんかずら)、そして、竹内栖鳳(紅梅)、福田平八郎(松の実)の作品もあり、楽しませてもらった。
堂本印象(風神)、神坂雪桂(蔦)、同(立波)
福本繁樹(風神雷神図)、古谷紅麟(写生草花模様)、川北霞峰(のうぜんかずら)
光琳かるた(復刻版)
堂本印象美術館
そして、バスで引き返し、目指すは、三条高倉にある京都文化会館。(つづく)