まどか先生の「ママ達のおやつ」

ママの笑顔は、我が子が幸せであるためのママ・マジック。ママが笑顔であるために、この「おやつ」が役立つことを願っています!

リハビリ室にて・・・

2007年08月24日 | にこにこ
 すっかりご心配をおかけしました我が家の主人
今週のはじめに沖縄の病院を退院し、今は横浜の病院にリハビリ入院をいたしました
 おかげさまで、日頃から鍛えた筋力が威力を発揮し、今は松葉づえを使って、歩けるようにまで回復。たくさんのエールを、ありがとうございました 日常生活に復帰するのは、あともうしばらくかかりそうですが、リハビリ室での「筋トレ」は順調に進んでいます 

 ある日の、名護のリハビリ室でのこと。
自由の利かない右側の手、足を左側で支え、黙々と平行バーを握って前に進もうとしている男性。
 理学療法士の先生が、「もっとゆっくりでいいよー」「そうそう、その調子で右手を先に前に持っていって・・・」と、そのつど適切な指示を出し、男性を励まします
 主人の話によれば、その男性は沖縄を旅行中、脳梗塞で緊急入院をなさったのだ、ということでした。 
 初めてその方がリハビリ室に来られた時には、全く立てるような状態ではなく、それでも理学療法士の先生が教える小さな動きの運動を繰り返し、 自室に戻っていかれていた、ということでした。
 その日から1週間、その方は確かに自分の足で立ち、ゆっくりゆっくりではありますが前に進むようになっていました

 私は、あまりじろじろと見てはいけないと思いつつも、その男性の真剣な取り組みの様子から、目を逸らせることができませんでした。
 車いすを押しているのは奥様のようです。言葉の少ないご主人に、奥様は一生懸命笑顔で話し、車椅子を押してリハビリ室を出て行かれます

 リハビリテーションという、地道な努力を必要とする世界。
あの男性のがんばり、それを見守り、サポートする奥様・・・今まで私の知らなかった世界です。

 興味を持ってリハビリ室の中の様子をじっくりと観察をしていますと・・・本当にいろんなタイプの人がいるものです
 もちろん、さっきの男性のように、一生懸命にリハビリの取り組んでいる人もいれば、どんなに理学療法士の方が励まし、事細かによりやりやすい、効率の良い方法を教えても、ああだこうだと言い訳ばかりして、決して動こうとしない患者さんもいます
 「~~だから、○○なようにしましょうね ○○は難しくて、なかなか簡単ではないので、ついつい△△にしてしまう人は多いけれど、△△では全く意味がないからねえ。必ず、○○のようにしましょうねえ
 そう何度も注意をされても、平気で△△を続け、ご満悦の顔をしている人もいます
 私はそんな様子を見ながら、ふっと「子どもたち」を見ているような気持ちがしたのでした

 「○○しましょう」と、少々「がんばり」を必要とする課題を与えたとき、ほんの一瞬、顔をこわばらせても、すぐに気を取り直すように「はい」と返事をして、さっさと取りかかる子ども・・・意外と少ないものです
 大きな声で私に聞こえるように、「できないかもしれない・・・やったことないから、できないかもしれない・・・」と、必死にアピールをする子。
 この子は、うまくいかながったときの予防線を張っているのですね
 ほんの少しだけやって、ちょっと苦手だとわかるやいなや手を止め、「がんばったよ 全部はできなかったけど、ぼくは(わたしは)すごくがんばった」と自分のがんばりをアピールする子。
 取りかかったとたん、自分にはかなり困難だとわかり、涙をいっぱいためて手を止める子供
 まわりの様子を全然気にせず、ひたすら陽気に、鼻歌交じりに取り組む子 etc.etc.

 もちろん、生まれ持った人柄があります。
ご両親が努力家であれば、やはりその因子を受け継ぐ子どもが生まれるでしょうし、努力嫌いの行き当たりばったり・・・という因子をもらえば、そういう子どもとして生まれるでしょう。
 しかし、私はやはり、人が何かに取り組む姿勢、挑戦する姿勢には、生来の因子による人柄ばかりではなく、「幼いころからの育てら方」「育った家庭環境」(もっと成長すれば、学校環境も関係してきます)に大きく左右されると思っています

 たとえば・・・
  わが子が「できない」ことに直面したとき、できなかったというその結果にこだわり、「あー、できないんだあ。できると思ったのになあ、そっかあ、なんでできないんだろうねえ、残念だなあ・・・」というような、ぼやき型のご両親。
  わが子に「できない、わからないことがある」という現実を受け入れたくない、何でも一番!とにかく優秀!というのが好きなご両親。

 こういう2タイプの下に育つ子どもは、きっと、親に「できない、わからない」という事実を知られたくない、できないことで落胆させたくない、上手にできてほめられたい、というような気持ちが強く働き、表面上でも、つじつま合わせでも、できるように見せよう!!と思うようになるでしょう。

  わが子の苦手を見つけたとき、本当はそのことにショックを受けてかなり凹んでしまったけれど、そういう様子は教育的見地から、子どもに感じさせてはいけない、と考えるご両親の場合。こういう両親は、異常なほど「がんばった、という過程」をほめちぎり、できなかった結果から、ご自身達が目を背けたいがあまりに、結果は云々しません。

 当然、この両親のもとに育つ子どもは、結果が悪かった場合には、その結果を真摯に受け止め、どうしようかと考えるよりも、とにかく、自分はがんばったんだ、必死に取り組んだんだ、という姿勢に評価を得ようとします

 これはほんの一例ですが、やはり、親の関わり方、接し方は、その子の成長に大きな影響を与えることは否めません

 名護の病院のリハビリ室。
一人、チャーミングなおじいちゃんがいました
何かの術後でリハビリをしている方なのですが、どんなに理学療法士の先生が叱咤激励しても、すぐに指示されたリハビリを途中でやめてしまいます
 車椅子に「あー」と言って座り、そして、手で頭をくりくりとかいて、「がんばったー」と自分を褒めるように大きな声で言って、奥様や孫たちに手や肩を揉ませるのです

 「○○さん、そんな1周だけで止めていたら、ちっともリハビリ進まないねえ。もうちょっと頑張れるようになっているさあ。さあ、しっかりやりましょうねえ
と声をかけられても、頭をくりくりかくばかり・・・

 その様子、私は子どもでよく見ます
何でも途中で投げ出しても、ママにハグをしてもらい、「○○ちゃん、よくがんばったわねえ、すごいすごい!ママはびっくりしちゃったわー」などとほめられて、ご満悦になる・・・ 困ったちゃん親子の姿、と同じです。
 まあ、おじいちゃんは数十年、人生の荒波を乗り越えてきたのですから、百歩譲って「頭くりくり」は許されるよな、と思いますが、子どもの場合は訳が違いますよねえ

 がんばることは、本当に価値のあることです 結果ばかりを求めるのは、絶対に違う
 でも、結果を求めない、というのも、やはり違うでしょう
 親は、がんばる姿勢を評価しながらも、良い結果が出せるようにリードすべきですし、良い結果をだそうというガッツ、意気込み、心意気を、子ども自身に持たせるような、有効な言葉かけをそのつど考えるべきでしょう

 それにしても・・・あの頭くりくりおじいちゃん、今日も名護でがんばっているかな?

 


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