「あっ、かぼちゃでんちゃが来たよ」
「お父さん、かぼちゃでんちゃ、乗るの?」
最近、この電車を見ると、西大路駅のホームでそう言ってまとわりついていた子供たちの幼い姿を思い出します。
「かぼちゃ電車」
この湘南色の113系を言い表すのにぴったりであるとともに、なんと優しい響きをもった言葉なのでしょう。親が教えたわけではなく、子供たちは自然とそう呼んでいました。我が家だけではなく、ほかの子供たちがそう言ったり鉄道ファンではなさそうな大人たちも口にしたりしているのを見た覚えがあります。
歴代の国鉄・JR車両の中にあって、このように親しみを込めて呼ばれるものは少ないのではないでしょうか。
5月10日、撮り鉄三昧の締めくくりは、JR西日本京都総合運転所の湘南色だけで構成された113系8連です。比良に日も沈んだ17時57分、白い空と湖の間に水墨画のように浮かんだ沖島から近江八幡市の長命寺山あたりを背に、通り過ぎて行きました。
父の手を握ったり、ズボンを持ったりしてホームに立っていた子供たちも、二十歳を超えたり、高校生になったり。今ではそれぞれの生活があり、一緒に電車に乗ることもほとんどなくなりました。それが成長の証しなのでしょう。
子供たちが大きくなるのと歩調を合わせるかのように、113系も少なくなりました。まして、湘南色は数が限られます。湖西線でも8連を見ることができるのは極めてまれ、と言ってもよいのではないかと思います。
いつまでも活躍してほしい、と願う湘南色の113系ですが、そのうちに姿を消すことでしょう。しかし、私にとってこの電車は子供たちの幼い日の思い出と重なっていつまでも忘れることのない存在となるはずです。
2009-5-10 JR湖西線志賀-蓬莱 近江舞子発京都行き普通2863M
Nikon D300,AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED,36mm,ISO 400
1/500秒,f3.2,+0.7段,WB:晴天
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湘南色は80系をルーツとする国鉄色の代表ですが
「かぼちゃ」そのものですね(^^)
昔は表現として子供までも親しみやすい愛称が付けられたものですが、今では少ないですね・・・
名鉄の「いもむし」なんかも色合いと形状から子供まで解るような愛称でしたし(^^)
昔、付き合っていた彼女に153急行に乗りたくて
「シンデレラを乗せるかぼちゃだよ!」って言って
説得した覚えがあります(^^)
それで急行「宮島かぼちゃ」に乗って広島に行った懐かしい思い出でした・・(^^;;
あれだけあった113系もこの色は確かもうJR西だけです。
子供の頃この113系と153系ブルーライナーが走ってたのが懐かしいです。
そうですね。私も幼稚園の頃の記憶で80系に乗った覚えがあります。湘南電車の伝統、直流急行型、近郊型の代名詞だったこの塗色。私自身も子供のとき、両親に手を引かれてこの色の電車に乗っていました。感慨深いものがあります。
「シンデレラが乗るかぼちゃ電車」。なかなかのセリフですね。宮島かぼちゃは、胸キュンの思い出ですか?
お越しいただき、ありがとうございます。私も草津線とは縁があるんですよ。母の里が伊賀でして、田舎に行く時は柘植か甲賀あるいは油日を使います。
近江の里を走るかぼちゃも美しいですね。
今しか撮影できない写真をたくさん撮っておいてください。将来、きっと宝物になるでしょう。
また、ブログも拝見しました。頑張って充実させてくださいね。楽しみにしています。
本当にあっと言う間ですね。油断していたら、もう走っていないという結果に。今や221ですらローカルに追いやられていますもの。ブルーライナー、懐かしい。当時はカッコいい存在でした。
水を張った水田に畦の緑がとてもよく似合いますね
国鉄の時の色は自然にしっくりとなじむ色あいで、電車+景色でひとつの風景を作っているようです
「かぼちゃ電車」って呼ばれてたのですか
親しみのこもった呼び名ですね♪
私はこれが「湘南カラー」っていうのを、実はつい半年ほど前に知りました
(鉄道関係のblogを見るようになってです)
私にとっては「快速色」であり、「柿色」です
なので、「湘南カラー」はまるで関東のもののように言われているようで、とっても違和感があるんですよ!
山陰本線では他の色とつぎはぎになっていることが多いですけど、草津線はこれだけのことが多く、京都駅0番線で懐かしく見ています。
湘南色は、国鉄初の近郊型電車として登場した80系の塗色です。東京と湘南地区を結ぶ電車でそれに見合った色をと考えられたので仕方ないですね。
しかし、湘南地区以外でも日本の風景に似合うのが凄いですね。
京都駅を発着する113系は4両湘南色は比較的見ることができますが、8両は運ですね。