Music from Gen-dai

お気楽色の僕らのBlue

Bon Voyage

2010-03-05 00:05:56 | 日記
3月~4月はお別れの季節。


昨日の記事が何かの暗示だったのか、高校の軽音楽部で出会って以来の親友から

一本の電話が届いた。


現在単身赴任中の彼であるが、4月より家族みんなで九州に転勤とのこと。

今から15年ほど前に僕が福岡に転勤となった時

出発の朝駅まで見送りに来てくれた彼のことを思い出した。

15年の時を経て、今度は逆の立ち場で僕が彼を九州へと送り出す番である。


彼の奥さんや子供達ともいろんな思い出があるので

お別れとなるのは寂しいことではあるが

家族5人での賑やかな生活を新しい場所で始められることはうらやましくもある。



細野晴臣の「泰安洋行(Bon Voyage)」(1976)


01.蝶々-San
02.香港Blues
03.“Sayonara”,The Japanese Farewell Song
04.Roocho Gumbo
05.泰安洋行
06.東京Shyness Boy
07.Black Peanuts
08.Chow Chow Dog
09.Pom Pom蒸気
10.Exotica Lullaby



1976年リリースのサードアルバム。

当時の日本でここまでのトロピカルなアプローチを試みていたことには驚きである。

ゴッタ煮サウンドではあるが、あらゆるジャンルの音楽を消化した緻密な音作りにより

我々の耳にはすっきりと溶け込んで来る。


ゆったりと楽しい旅をガイドするかのように刻まれる

良い意味での「もったり感」あふれるリズム満載の「蝶々-San」


沖縄音楽をごっちゃりと盛り込んだ「Roocho Gumbo」


ニューオリンズ風のすべての楽器が転がりを見せる「東京Shyness Boy」


ロッキード事件を題材にしつつも、カリプソの明瞭なアレンジに包み込まれる「Black Peanuts」


リトルフィートあたりにも通ずるアーシーなリズムで

食用とされるチャウチャウ犬の悲劇を歌った「Chow Chow Dog」


「おっちゃんのリズム」というこのアルバム全体のキーワードともなる歌詞で始まる「Pom Pom蒸気」



名付けて「チャンキーミュージック」と言われるそのサウンドは、音、リズム、歌のすべてが

合致した、日本音楽史上における最高の異色作なのである。





来る友人家族とのお別れの日には、このアルバムでも聴きながら

一言「Bon Voyage(いってらっしゃい)」と声をかけたい。




「おっちゃんのリズムですいすい」と新生活をおくってもらうために。
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