熊本市版事業仕分け、その名も「事務事業外部評価会議」。
2日間にわたって12の事業が検証されましたが、傍聴してきました。
初めての取り組みでありましたが、まずは8名の委員のみなさま、
大変お疲れさまでした。
様々な分野の12事業について意見を言うのは大変で、
事前の学習や検討などかなりの労力が必要だったのではないでしょうか?
「正直、この事業についてはわからんけん、意見は言いません」
とおっしゃる委員さんもいらっしゃいましたが、
しょうがない部分もあるのかなと思いました。
率直な感想は、
●1事業のみを切りだしての検証となっているので、
収支が赤字だと「サービス量の切り下げ」、「受益者負担の引き上げ」
などと一面的な結論が導かれやすい傾向にあると感じました。
市全体の事業や予算規模などの把握をし、無駄な支出がほかにないかなど
全体像をつかんでの議論が必要だと感じました。
●選定された事業についても国の影響を大きく受けるために
市としての改善余地が限られているもの、事業の効果などが
わかりにくく外部評価委員では判断が難しいものなどもありましたし、
逆に、中心市街地の再開発事業や議会にも繰り返し陳情が
だされている特例区協議会委員の報酬などは検証の対象と
ならないなど、事業選定が市側の判断にゆだねられたという
課題を残しました。
●審議時間1時間は短かすぎです。
掘り下げができないまま結論が出されるというのはどうかと思いました。
例えば、さくらカードの時も、健康増進、地域経済への貢献など
多面的な論議が必要との意見も出されましたが、
その効果を検証するデータも示されませんでしたし、
にもかかわらず、時間内に結論を導かざるを得ない点が矛盾点でした。
●そしてこれが最大の問題点なんですが、利用者の声が反映
されにくいという点です。
委員の中には関係者からの聞き取りを行い、こうした声に
基づいての発言もありましたが、基本的には利用者の声を参考に、
意見を言われたシーンは少なかったと思います。
利用者の声や思いは
事業評価をする際に最も大切です。
それは事業の賛否にとどまらず、なぜそう思っているのかという
理由や感情にこそ、事業改善の最大のヒントがあると思うからです。
初めての取り組みということでの苦労はあったかと思いますが、
課題が多く見つかり、8名の意見をもって客観的な評価が
なされたとはいえない面もあるのかなというのが私の感想です。
9月議会で取り上げたいと思います。
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