熊本市議会議員なすまどか~まどかレポート

熊本市政、国政(平和、雇用など)、趣味のスポーツ、料理などなど・・・
熊本市議会議員 那須円(なす まどか)の活動日記

学費タダは世界の流れ

2013年09月19日 | 県の政治や国の政治

昨年の9月、政府は33年間にも及び留保してきた国際人権A規約の「高校・大学までの段階的な無償化」について、「留保撤回」を国連に通告しました。

160の国が同規約を批准するなか、「中・高等教育(高校・大学)への学費無償の漸進的導入」を留保していたのは、日本マダガスカルの2カ国のみ。

遅きに失した感はありましたが、政府の英断でした。

教育を権利と位置付け、高校・大学においても、無償化の道を着実に進み、全ての国民に教育の機会を保障する責任が政府に課
せられたことになります。

年々上がり続ける学費。学費が払えないと切実な声が学生からもあがっています。


日本の学費は他の国に比べても高すぎます。異常です。



なぜ高いのか?
理由は単純。国が教育にお金をかけていないからです。




こうしたなかで、多くの学生が奨学金を受けている状況です。

日本の場合、「お金を借りる」ことになるのですが、世界の中でこうした教育ローンの様な奨学金制度をとっている国はわずか。

多くの国が、返済の必要のない給付制奨学金制度を設立しています。




さて、中・高等教育の無償化に着実に進むことを世界に約束した日本。
あれから1年。政府が明らかにした方針は、高校授業料の無償化に所得制限を設けるというもの。

所得の多い親から授業料をとり、それを無償化の財源にしていくといものです。
国が責任を持って無償化を進めるのではなかったのか?

自ら結んだ国際規約にも反した方針に、情けなさと怒りを覚えました。


「学費の無償化」が論じられる際に、「教育を受けるためには、多少の自己負担は当然」との「受益者負担論」をよく耳にします。

しかし、教育は個々人の可能性を花開かせるかけがえのない権利であると同時に、「国や社会」にこそ多くの益を還元するものです。

受益者負担ということならば、益を受ける国こそが負担をするべきだと思います。

不条理な「受益者負担論」を跳ね返し、国際社会の常識である学費無償の道を切り開くことが今こそ求められています。


全教室にエアコン設置~人吉市を視察

2013年09月10日 | 熊本市政のおはなし

小中学校のすべての教室に冷暖房を設置した人吉市を視察しました。

市長自らが学校現場に足を運んだところ、あまりにも暑い教室を目の当たりにし、冷暖房設置を決意したとのこと。温度調査を行ったところ35℃を超える教室もあったそうです。


教室は適度な温度に保たれ、学習にも集中できる環境となっていました。



すべての普通教室や音楽室・理科室など、585台のエアコンが設置されています


設置にかかった予算は、4億2700万円
(国からの補助金や交付税措置などもあり、人吉市の負担は3000万円弱

エアコン設置後、「冬には暖かい空気が天井に上がり、足元が寒い」との学校からの意見を受け、空気を循環させる天井扇を設置

快適な教育環境整備への徹底した取り組みが進められています。


また、電気代や環境の面も考え、各学校には太陽光パネルも設置されていました。視察した第一中学校では、体育館の屋根に太陽光パネル。


職員室には、各教室の温度や稼働状況を把握できるモニターがあり、運転時間や温度管理などが徹底されています。


こうした取り組みもあり、エアコン設置によって増加した電気代は年間120万円ほど。

「下敷きでバタバタ仰ぎながら授業を受けていた子どもたちが、授業に集中できるようになった」
「体育のあとなど、給食が喉を通らない子もいたが、食欲も増した」
など、様々な効果が出ているようでした。


突然の訪問にもかかわらず、懇談を快く受け入れ、自らの思いを語ってくれた田中人吉市長。


「子どもたちに快適な教育環境を整備することができるのは大人だけ」
「未来の社会を担う子どもたちに、できることは可能な限りやっていきたい」
と田中市長。自らも文部科学省に乗り込んで予算の確保などに奔走したそうです。

「米百俵の精神で教育には、ハード面・ソフト面に力を入れています」と力強く語ってくれました。


一方、熊本市は、エアコンが設置されているのは、図書館、パソコン教室など一部の教室のみ。
来年度に向け、音楽室や各学校1つの支援教室へのエアコン設置が進められているものの、普通教室には扇風機が設置されているのみです。


中心市街地再開発には多額の税金を投入しようとする一方で、子どもたちの教育環境整備には実に慎ましい予算措置。


幸山市長が「日本一暮らしやすい政令指定都市くまもと」をスローガンに掲げるのならば、人吉市に負けないよう、せめて子どもたちの教育環境の整備にもっと力を入れるべきだと感じました。