マックンのメモ日記

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縮み行く行く死海!アラル海と同じ道を辿るのか?

2013-05-26 20:09:25 | 自然・環境問題・古生物
死海って知っていると思いますが、イスラエルとヨルダンなどに挟まれた塩湖で、海抜マイナス420メートルと地球上で最も低い場所にある湖の事です。シリアとレバノンの国境にあるヘルモン山を水源とするヨルダン川以外に流入する大河川はなく、低地のため湖水は海などに流出しないのです。そのため水分だけが蒸発していくため塩分濃度は25~30%に達しています。一部の菌類などを除いて生物が生息できないことが名称の由来となっている所で、死海はテレビ番組や雑誌などでしばしば紹介される有名観光地で、死海の塩や泥を使った美容関連商品は日本でも愛好者が多いと言います。

しかしこの塩湖に異変が起きていて、水位が年々低下しているのです。周辺の人口増や工場の建設で取水量が増えたことや、気候変動による少雨が続く事などが要因となって水位がどんどん低下しているのです。このままでは湖が消滅しかねないと周辺の観光業者は不安を募らせているのです。死海の湖岸には、結晶化した塩が砂利や岩にへばりつき、雪が降ったように真っ白な光景が続き、周囲を切り立った崖に囲まれ、近隣は旧約聖書にまつわる史跡も多いところです。

そして死海が年々縮小しているのです。水位が毎年1~1,5メートルのペースで低下。1980年代に建設されたホテルの中には、完成当時は水辺に面していいたのに、現在は2~3キロも離れていしまっており、宿泊客をバスでビーチまで送迎する施設もあるほどです。水位の低下の影響とみられる地盤沈下も起きていて、ホテルの中には水辺に作った最新のホテルも将来は同じように水辺から遠ざかってしまうかもしれないと危惧しているほどです。

イスラエル地質調査局の調査では、死海の水位は過去20年間で25メートル以上低下したと言います。そのため、もともと一つだった湖が90年代後半には中央部が干し上がり、南北に湖が分かれてしまったのです。同局のナダブ博士は水位低下の要因を「ヨルダン川の水量の低下と肥料原料会社の取水の影響が大きい」と指摘しています。周辺国の人口増加による生活用水の需要増のほか、気候変動を背景にした上流域の降水量減少が水量低下に繋がっていると言います。

死海の水にはミネラル分が多く含まれており、主に肥料用のカリウムを採取する企業が湖岸に工場を建設し、取水量を増やしたことが水位低下に拍車をかけたと言います。このまま何も手を打たなければ今後200年程度で死海は消滅すると警鐘を鳴らしています。イスラエルやヨルダンなど周辺国は紅海の海水をパイプラインで死海に注入する案も検討しているそうですが、「生態系に与える影響を精査しきれない」実現していません。水位低下は一国では対応できないためいかに連携を構築できるかにかかっています。

しかしこのような例はすでにアラル海でも起きていて今ではすかり水海もほとんど干し上がってしまったことを考えると、この死海が干し上がるのを止められるかはかなりの努力がなければ止めることは難しいのではないでしょうしょうか?人間のエゴを止められなければアラル海と同じ運命を辿ることになるのではないかと心配します。