マックンのメモ日記

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イワシの子でアユ漁を占う!

2013-05-02 19:58:27 | 自然・環境問題・古生物
「鮎」の由来は「神功皇后が占いに釣りをしたところ釣れた魚がアユであった(占い魚)」から、魚へんに占の鮎を「あゆ」と読むと言う説と、「アユは縄張りを独占する(占める)」ことから「鮎」とついたと言う説があるそうです。何でアユの話になったかと言うと、「伊勢湾でカタクチイワシの子供が少ないと、長良川のアユは豊漁」と言う話を、30日に岐阜県河川環境研究所が研究結果を発表したからです。

それは伊勢湾のカタクチイワシや、餌となる動物プランクトンの数から、長良川を遡上する天然アユの量を予測するという手法を確立したのです。これを基にアユの放流量を調整すれば、アユの大型化や漁獲増につなげることが可能だと言うのです。

伊勢湾はアユが秋から冬にかけて成長する場で、カタクチイワシの仔魚(シラス)も同じ時期に回遊し、どちらも動物プランクトンを餌に成長します。そこで河川研が過去10年以上のデータを調査し、11月、12月に伊勢湾でカタクチイワシの仔魚の数が少なく、その餌となる動物プランクトンも少ない年は、翌春のアユの遡上量が多いことを突き止めたのです。また10月に伊勢湾の水温が高い翌年は、アユの遡上が増えることも分かったそうです。

河川研の桑田部長は「競争相手の少なさと高い水温はどちらもアユにとって有利で、カタクチイワシが少ないのに動物プランクトンも少ないと言うのは、アユが餌をよく食べた結果」と分析しています。アユの遡上量をカタクチイワシの仔魚(シラス)、動物プランクトンの量と水温の3つの数値を使って予測する数式を完成させたのです。そして2010~12年の遡上量を的中させることに成功したのです。

アユは一匹ずつ縄張りをつくるため過密になると大きく育たないのです。今後、毎年末に伊勢湾の調査から天然アユの遡上量を割り出し、4月、5月に行う養殖アユの放流で必要な数を計算できれば、アユに理想的な環境を生み出せることになります。遡上量の予測方法が確立したことで、他の河川への応用も期待できるとしています。

アユは体長59~63mmになると鱗が全身に形成され稚魚は翌年4月-5月頃に5-10cm程度になり、川を遡上し、この頃から体に色がつき、さらに歯の形が岩の上のケイソウ類を食べるのに適した櫛(くし)のような形に変化します。川の上流から中流域にたどり着いた幼魚は水生昆虫なども食べますが、石に付着するケイソウ類(バイオフィルム)を主食とするようになります。アユが岩石表面の藻類をこそげ取ると岩の上に紡錘形の独特の食べ痕が残り、これを特に「はみあと(食み跡)」と言います。

多くの若魚は群れをつくりますが、特に体が大きくなった何割かの若魚はえさの藻類が多い場所を独占して縄張りを作るようになります。縄張りは1尾のアユにつき約1m四方ほどで、この縄張り内に入った他の個体には体当たりなどの激しい攻撃を加えます。この性質を利用してアユを掛けるのが「友釣り」で、釣り人たちが10m近い釣竿を静かに構えてアユを釣る姿は日本の夏の風物詩でもあります。