マックンのメモ日記

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マルハナバチ世界的に激減。日本でも減少しており調査をすることに!

2013-05-08 21:42:34 | 自然・環境問題・古生物
春と言えばイチゴ狩りを思い出しますが、温室栽培のイチゴ狩りの場合には花にハチがいて驚いた人もいるかもしれません。温室にいるハチは、イチゴを実らせるための受粉役として農家が飼っているものなのです。イチゴの場合は、その多くがセイヨウミツバチですが、2011年、セイヨウミツバチの謎の大量死が起き輸入が激減したため、その代わりにセイヨウオオマルハナバチがかなり導入されたのです。

もともと、トマトなど農作物の花粉媒介用に海外から持ち込まれたハチです。ハウスのなかだけで仕事をしている分には、高品質な実ができ、作業の省力化による作付面積の増加、減農薬につながる等、農業にとても役立っていました。しかし、残念ながらハウスから逃げ出したハチが野外で増えてしまったのです。これがそもそも間違いのもとで、こうしたハチに限らず他の動植物でも害虫などを駆除するために輸入した西洋の動植物が、逃げ出すことで野生化し、日本在来の固有種を押しのけて数を減らしている事例は数多くあります。それがこのマルナハバチにも言えるのです。

しかしそうなってからでは手遅れになっている場合もあるにもかかわらず、同じ過ちを何度も繰り返している場合が多いのです。外来種を持ち込むという事は一時的に役に立つかもしれませんが、最終的には外来種が日本の固有種の動植物を駆逐して行っているのが現状なのです。こうしたことが分かっているのに、なぜ多くの人たちは同じ過ちを繰り返すのでしょう。それは目先の利便性に惑わされてしまうからで、最後は外来種の駆除に手を焼くという事を繰り返すことになるのです。結局は百害あって一利なしなのです

今回のマルハナバチの事ですが、1匹(学術的には頭)が1日に1,000もの花を訪れるそうで、花が下向きに咲くトマトなどナス科の作物の温室栽培でミツバチがあまり好まない花などに収量向上に大きな役割を果たしていたのです。1980年代にはヨーロッパで人工増殖が実用化され、日本へは1992年から本格的な導入が始まっています。人工授粉の手間を省き、昆虫を使うことにより農薬の使用も抑制されたことは、生産者にとっては安全性の点でも大きな魅力だったのです。

しかし、4年後には北海道での野外営巣が確認され、さらに急速に分布を広げていくと、問題が露見しはじめた。セイヨウオオマルハナバチは繁殖力が強く、寒冷地でも早く活動しはじめるため、在来マルハナバチを圧迫して追いやっているのです。また、在来種の雌がセイヨウオオマルハナバチの雄と交尾すれば、子孫を残せなくなってしまう上、輸入個体とともに入ってきたウイルスや寄生ダニも在来種の脅威となっているのです。

問題は、マルハナバチの世界だけに留まらず、自然界で受粉という重要な役割を果たす在来マルハナバチが激減すれば、数多くの在来植物が繁殖不可能になってしまうのです。セイヨウオオマルハナバチは花の横をかじって穴を開け、蜜をなめとる“盗蜜”の習性が強く、受粉役にならないからです。2006年、セイヨウオオマルハナバチは特定外来生物に指定されたのですが、使用自体が禁止されているわけではなく、輸入は今も続いているのです。北海道ではすでに在来種より多いほどになり、屋外での目撃例は山梨、長野、茨城、島根など全国に広がってしまったのです。

このハチは寒さに強いので、北海道在来のマルハナバチたちがまだ活動しない時期から、飛び回り、巣づくりに適した場所を確保することができます。つまり、北海道のマルハナバチのなかには営巣場所をめぐる競争に負けるものが出てしまうのです。また、セイヨウオオマルハナバチは繁殖力がたいへん強く、北海道のマルハナバチに比べてとても多くの次世代の女王バチを生み出します。これらのことから、今、網走管内でも非常に個体数や生息域を増やしています。エゾオオマルハナバチが巣づくりに適した場所をめぐる競争に負けて、激減した地域が道内にはあります。また、植物のなかには、セイヨウオオマルハナバチに盗蜜されることによって、うまく種子をつくることができなかったものもあるのす。

なかには人家の土中に巣をつくるものもあり、この場合、セイヨウオオマルハナバチたちは、巣を守ろうとして、巣に近づくものに対して攻撃的になることがあります。人家の敷地内に巣が作られた場合、人間が巣に近づく可能性が高くなり、その場合は危険です。それに間違われて、誤って捕獲される北海道のマルハナバチがいるそうです。特にエゾオオマルハナバチは、セイヨウオオマルハナバチと似ているので、誤捕獲されることがあります。ただでさえ、セイヨウオオマルハナバチとの競争に負けてしまいがちなのに、加えて人間にセイヨウオオマルハナバチと間違えられて数が減っては受粉に影響が出てしまうのです。

そのため、花粉を運ぶハチで世界的に個体数が激減している「マルハナバチ」の国内分布を確かめようと、東北大や山形大などの研究チームが住民参加型の調査を始めた。携帯電話で撮影した写真を送ってもらいデータを収集する仕組みで、成果は保全策の検討に生かす。調査を主催する河田雅圭東北大教授(進化生態学)は「このハチはトマトの受粉など農業で利用されており、役立つ昆虫だ。多くの人に調査へ参加してもらいたい」と話しています。

マルハナバチは、ずんぐりした姿が特徴で体長は2、3センチ程度、国内には10種以上が生息しています。寒さに強く早春や寒冷地での受粉に重要な役割を果たしているのです。ただ在来種は減少傾向とみられ、農薬やウイルスの影響のほか、外来種に生息地を脅かされている可能性が指摘されていますが、原因ははっきりしないとも言います。

そのため調査することを決め、マルハナバチとみられる昆虫を見つけた人が、位置情報とカメラ機能の付いた携帯電話で撮影し、画像を研究チームにメールで送信ほしいそうです。画像を基に専門家がハチの種類を判断し、画像データに含まれる日時や位置情報とともに登録し、登録内容はインターネット上に公開されるそうです。

画像送信時の注意点などは研究チームのホームページに載せている。アドレスはhttp://meme.biology.tohoku.ac.jp/bumblebee/index.html