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国際電話キックバックビジネス

2018年05月24日 22時48分16秒 | ビジネス
国際電話キックバックって知ってますか。

一時期流行りました。今も存在します。

日本とアフリカの某国との国際電話でよくありました。
別に皆さんに直接被害が及ぶわけではありませんのでご心配なく。

方法はこうです。

日本からアフリカの某国にユーザA氏が普通に国際電話をかけます。
仮に1時間かけたら通話料が5,000円だとします。

その場合、日本の電話会社が、アフリカの電話会社の回線を使うことになるので
一般的なB2Bの取引の一環として日本の電話会社から、アフリカの電話会社に
回線使用料を払います。その支払額が例えば1時間で4,000円だとします。

日本の電話会社は、通話料5,000円を日本からアフリカに電話したユーザA氏に請求します。
一旦、整理すると、
 【正常な流れ】
 ・ユーザA氏が日本からアフリカに国際電話5,000円分通話
 ・日本の電話会社が、ユーザA氏に、5,000円請求
 ・ユーザA氏が、日本の電話会社に、5,000円支払
 ・日本の電話会社が、アフリカの電話会社に、4,000円支払
 ・日本の電話会社は、手元に、1,000円残る

となり、これで丸く収まります。
しかし、国際キックバックビジネスの場合は違います。

 【キックバックビジネス】
 ・ユーザA氏が日本からアフリカに国際電話5,000円分通話
 ・日本の電話会社が、ユーザA氏に、5,000円請求
 ・ユーザA氏は音信不通で5,000円は未回収
 ・日本の電話会社が、アフリカの電話会社に、4,000円支払
 ・アフリカの電話会社が、4,000円のうち1,000円を詐欺師Bにキックバック
 ・5,000円は未回収債権として日本の電話会社が自腹負担

となります。
ポイントとなるのは、
 ・日本の電話会社が、アフリカの電話会社に、4,000円支払
です。

日本の電話会社は、エンドユーザから未回収であろうが、何であろうが
アフリカの電話会社の回線を使用したことは間違いないわけですから
電話会社同士のB2Bの取引(協定)として、4,000円を支払う義務があるのです。

何でこういうことが起こるのか。
それはアフリカの電話会社と詐欺師BとユーザA氏が組んでいるからです。

このユーザA氏は実は詐欺師Bが使っている偽名だったり、バイトで雇った不法就労者
だったり、既に日本から海外に出国済の人だったりします。
どちらにせよ、そもそも日本の電話会社に5,000円の国際電話の通話料を支払う気はゼロです。
そうなると、日本の電話会社は5,000円をユーザA氏から回収出来ませんので
全額かぶることになるわけです。

そして日本の電話会社がユーザから代金回収出来ないことと、アフリカの電話会社への
回線使用料の支払い義務は別問題ですので、4,000円はアフリカの電話会社に
行ってしまうわけです。

先程も言った通り、このアフリカの電話会社もグルなので、本来なら3,000円で
十分なはずなのですが、詐欺師Bにキックバックする分も含めて4,000円という料金表で
日本の電話会社と契約しているのです。

結果、日本の電話会社が全額負担して、アフリカの電話会社は4,000円売上があがり
詐欺師Bはアフリカの電話会社から1,000円のキックバックにありつけるのです。

アフリカの電話会社も、損はせず、黙っていても売上が勝手に上がる仕組みなので、
詐欺師Bのような人と平気で関係を持つ会社もあるようです。

すごいビジネスを考えたものですね。

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