森羅万象、政治・経済・思想を一寸観察 by これお・ぷてら
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ゼロ金利政策解除でどうなる?
大手銀行は14日、日銀がゼロ金利政策を解除したことを受け、預金金利を相次いで引き上げると発表した。普通預金については三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、中央三井信託銀行が年0・001%から0・1%に引き上げる。住友信託銀行は0・2%と一気に金利を200倍にする。
普通、定期預金続々利上げ 住信は2百倍の0・2%に (共同通信) - goo ニュース
ゼロ金利政策の解除は当然のことである。こんなに低い、異常な金利は世界にもなかった。結果、国民が吸い上げられた利子所得は300兆円を超えるという。日銀は吸い上げた資金をどうしたのか。
大量の資金をただ同然のコストで手に入れた大銀行は、不良債権の処理をすすめ、投機的取引を推進、空前の利益をあげた。また、大量に発行された国債も買い取った。大量の資金が回ったのは、ライブドア、村上ファンド事件などに端的に表れているようなマネーゲームだった。
我われの関心は、ゼロ金利政策の解除は庶民の家計に何をもたらすかということであろう。
短期金利が0%から0.25%に上がった場合の試算は以下のとおり(第一生命経済研究所)。
【家計全体が支払う金利負担】 1346億円
【家計全体が受け取る利息収入】5560億円
差し引き4220億円が家計に還元されることになる。だが、これは一世帯あたり年額9000円という数字だ。マスコミの見出しに踊る「200倍」とはこんなものだ。大げさすぎるが、何百、何千倍してもゼロはゼロ。限りなくゼロに近かったのだから、200倍しても影響はせいぜいこんなもの。
むしろローンなど負債を残している家計はこれからはしんどい。全体の1割強の高額預金者が、ゼロ金利解除の恩恵の半分を手中にするらしい。
それにしても、こんなゼロ金利を押し付けていながら、法外のぼろもうけをしていた日銀総裁が未だに辞任せず、その椅子にとどまっているのはなんとも腹立たしい。
普通、定期預金続々利上げ 住信は2百倍の0・2%に (共同通信) - goo ニュース
ゼロ金利政策の解除は当然のことである。こんなに低い、異常な金利は世界にもなかった。結果、国民が吸い上げられた利子所得は300兆円を超えるという。日銀は吸い上げた資金をどうしたのか。
大量の資金をただ同然のコストで手に入れた大銀行は、不良債権の処理をすすめ、投機的取引を推進、空前の利益をあげた。また、大量に発行された国債も買い取った。大量の資金が回ったのは、ライブドア、村上ファンド事件などに端的に表れているようなマネーゲームだった。
我われの関心は、ゼロ金利政策の解除は庶民の家計に何をもたらすかということであろう。
短期金利が0%から0.25%に上がった場合の試算は以下のとおり(第一生命経済研究所)。
【家計全体が支払う金利負担】 1346億円
【家計全体が受け取る利息収入】5560億円
差し引き4220億円が家計に還元されることになる。だが、これは一世帯あたり年額9000円という数字だ。マスコミの見出しに踊る「200倍」とはこんなものだ。大げさすぎるが、何百、何千倍してもゼロはゼロ。限りなくゼロに近かったのだから、200倍しても影響はせいぜいこんなもの。
むしろローンなど負債を残している家計はこれからはしんどい。全体の1割強の高額預金者が、ゼロ金利解除の恩恵の半分を手中にするらしい。
それにしても、こんなゼロ金利を押し付けていながら、法外のぼろもうけをしていた日銀総裁が未だに辞任せず、その椅子にとどまっているのはなんとも腹立たしい。
北朝鮮ミサイル発射をどう読めばよいのか ― 戦争の克服
なかなか面白い本にであった。
森巣博をよく知らなかったが、特異な人だ。本書『戦争の克服』の紹介には、対談思想書の名手とある。当たってる。ほんとうにかみあった対談・鼎談になっている、そう感じた。
本書は、その森巣博と哲学者・鵜飼哲、国際法学者・阿部浩己との対談・鼎談集である。世間の関心を集めている北朝鮮ミサイル発射、イスラエルのレバノン侵攻、そしてジダンの頭突き行為であらためて明らかになったレイシズムなど、今日の世界と日本を読み解くのに役立つと思う。タイムリーな上梓だ。
森巣によれば、戦争とは「人を殺す。それがすべてである」と定義できる。マイケル・ウォルツァーの言葉だ。いろいろな定義ができようが、戦争とは、まさに人の命をふくめた最大の消費の「舞台」だと思う。
この戦争の定義を軸に、鵜飼と森巣の対談はすすむ。
冷戦構造のあと、世界をおおうアメリカの単独主義、近代における戦争の歴史、戦争に接近する日本がテーマになっている。「恐怖の均衡」というシステムのもとで、幸か不幸か戦争はなかった。正確にいえば大規模な戦争はなかった。いったん全面的戦争に突入すると、相手を破壊することは可能だが、仕掛けたほうもまた消滅しかねない、きわめて危険な均衡が成り立っていたのだ。だが、ソ連の崩壊による冷戦構造の終結ののち、あらわれた状態が平和といえるかどうか。鵜飼の言葉を借りれば、「正しい宗教」と「正しい思想」をもつ「正しい帝国」がわれわれの目の前に登場してしまった。超越的な帝国が皮肉にもできてしまったのだった。
この過程での日本もむろん、2人のまな板にのせられている。この過程の出口でみえるものは、本書第2章のタイトルにあるように「戦争に接近する日本」の姿だ。
「過ちは二度と繰り返しません」という標語とともに戦後日本は出発した。そのはずであった。だが、鵜飼がいうように、戦前と戦後を断絶できない人を残してしまった。日本を指導してきた連中のことだ。だから、たとえば戦時国際法に違反したがために処罰された人が戦犯だということを彼らは受け入れられない。鵜飼は、「過ちは二度と繰り返しません」という言葉が誰が、誰にむかって発しているのか、曖昧であることも指摘している。その後の日本はどうかといえば、アメリカの軍事力を盾に戦後補償もなしに今日に至っている。
鵜飼は、この歴史の上にたってつぎのようにのべている。
今やるべきことは、戦争責任を清算する方向に踏み出しつつ、アメリカに対して言うべきことは言うことです。それには、アジアに軸足を置いた構想をもつしかないでしょう。経済的にも、政治的にも、安全保障という点でもそうしたほうがいい。
だが、少なくともいまの日本の政府のとる方向は、鵜飼のいうところとまったく逆なのである。
先に今日の世界と日本を読み解くのに本書が役立つといった。
「戦争の脅威を乗り越えるために、世界的に取り組むべきレベルと、そのなかに住む日本人に何ができるか考えないといけない」と鵜飼はいう。東アジアでは北朝鮮に向けられる攻撃の可能性をどう回避するかが一番の問題になろう。鵜飼はこれに明快に答えている。
曰く
朝鮮半島の統一がユーラシアの非核化につながっていくということを、世界の多くの人に認識してもらう必要があります。北朝鮮の問題を世界的な議論のなかにどう位置づけて、国際的に発信していくべきか。非常に大事だと思います。
反論の余地はない。この役割をこそ日本が担うことが求められているのではないか。
本書はいままさに読まれなければならないと私は思う。
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阿部浩己・鵜飼哲・森巣博『戦争の克服』(集英社新書)
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