【暁の空】【→30分後】
一応こうして日の出は見ましたが、
午前中の僅かな時間だけで、
どんよりとした空になりました。
お昼過ぎからは、ぽつぽつ雨も・・。
それも冬に逆戻りしたかのような、
冷たい雨です。
“まだ2月です。・・・
でもあたしは、こう考え始めております。
「後もう2、3週間で春になる。
それから又、何週間すると夏になる ――・・・
グリーン・ゲイブルズや ――
アヴォンリーの牧場に降り注ぐ金色の日光や、
夜明けには銀色になり、正午にはサファイア色になり、
日没には真紅に染まる湾や ――・・・・・」 ”
そうですね。
アンほどではなくても、日本でも、
古くから春を待ち侘びたものです。
それは歌に詠まれたり、詩になったり・・・。
でも、今年ばかりは・・・。
今日の冬らしい気候に、なぜかほっとしている私がいます。
それは、いつもの春を待ち侘びる感情が、
どこか薄れていることに、淋しさと言いますか・・
一抹の不安を感じているせいかも知れません。
ところで、ガラッと話は変わって・・。
今日は1週間に1度、
ピュアな心になる日。
・・と言えば、
そう 『冬ソナ』 です。
それにしても1週間の早いこと!
尤も、あのアンの時代でさえ、
“「ヒューと唸りを立てて」
飛び去った”
こんな風に、日々の経過の早さを
嘆いている場面があるのですから、
いずこの時代も同じだったのでしょうか。
でも、あの時代が “ヒュー” ならば、
今は “ピッ” 位なのでしょうね。
写真の本は、あのブーム当時、買った物ですが、
この本の存在すら、今の今まですっかり忘れていました。
『冬ソナ』 ブームも、随分前だったような気がするのに、
僅か3年位前なのですね。ここでも時の流れの早さを思います。
今日、『6話』 の心に残った会話です。
「今までにあなたは、誰かを心から愛したことがありますか? ・・・
ある筈ないわ。・・・だから、そんなことが言えるんです。」
「・・・・・・!」
「今まですぐ側で息をしていた人が・・・・・
突然消えてしまうのが・・・・・
どんなものか、知っていますか?
何一つ変わっていないのに・・・・・
その人だけいない感じが・・・・・
どんなものなのか・・・・・
その淋しさが、分かりますか?」
「・・・・・・!」
「それで涙を流すのが、そんなに間違っていますか?」