【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

炉辺のミステリー

2016-01-16 20:01:38 | 心の宝石箱







【朝の空 ~ 日の出時】






   こちらは今日も冬日和となりました。
  ただ、昨日よりは雲の出番が少々、多かったかも知れません。

   気温の方も一時よりはすこぶる低いのですが、
  (それでも平年並み)太陽のお陰で助かっています。

   ともあれ、やっと冬らしくなり、ほっとしている私がいます。
  冬は、やはり寒い方が春の喜びが大きいですものね。

   芽を出した春の球根を見ても、季節外れの花が
  沢山咲いている今年は、あまり感動しませんもの。






 





   
   さて相も変わらず、私は本の整理を続行中です。
  何分にも読んでから捨てるという事を実践していますので、
  どうしてもその作業は、遅々(ちち)としか進みません。

   今回、読み終えた本は、内田康夫著 「藍色回廊殺人事件」。
  薔薇色の冬の陽が射す炉辺の読み物ですので、
  肩の凝らない、ごく軽いものを。

   それにはミステリーが一番です。
  ~なんて。勿論、炉辺とは・・私の中の想像上の産物です。

   物語の大まかな内容は、吉野川に二百数十年前に造られた、
  貴重な文化的資産とでも言うべき第十堰(だいじゅうぜき)
  を壊して、新たに大予算を組んで可動堰を造ろうというもの。

   所謂(いわゆる)、大きな利権が絡む公共事業。
  当然の如く反対派、賛成派に分かれ・・。

   結局は、それが原因で事件が起こったという、
  良くあるパターンです。

   ただ、この作品が書かれたのは、1998年(平成10年)。
  阪神大震災は起こったものの、まだ異常気象と言いますか・・
  洪水は、今ほどではありませんでしたものね。

   かなり昔なのに、現在の置かれている状況を早取り。
  さすが作家って、先見の明がありますね。

   現に民主党政権下では 「コンクリートから人へ」
  と、ダムが撤回され、公共事業が減らされました。
  まるで昨日の事のように思い出されます。

      


「あの頃は・・・飯が食えれば良かった。
着る物があれば良かった。
(中略)
「物資が何とか足りて来たと思った頃、
大量生産、大量消費どころか、
浪費の勧めという思想が入って来た。
仕掛けたのは勿論、アメリカ。
質素、倹約が美徳だった日本人に、
浪費の面白さという、
とんでもない病根を植え付けた。
それ以来、日本人の感覚は
狂ってしまったんじゃな。
まだ使える物をどんどん捨てては
新しい物を手に入れたがる。
3年ごとに新車を買ったり、
古い街を潰してビルを建てたり、
第十堰を壊して可動堰を作ったり、
全て浪費病の成せる業みたいなもんじゃね。
近頃はまたぞろアメリカに脅されて
『内需拡大』 などと騒ぎよる。
外国にせっつかれて、政府が国民にもっと
金を使えと奨励するとは、妙な話じゃよ」                 
               【内田康夫著 「藍色回廊殺人事件」】






   私も古いものが好きですから、
  その時点では、きっと反対したでしょう。

   でも、去年の茨城のような大洪水を考える時、
  大昔に造った堰で大丈夫なのかと・・。

   折しも丁度今、我家の周辺では
  大規模な川の修復工事が行なわれています。
  そこには 「百年に一度の洪水に耐える工事」 との看板が。

   しかしながら、その根拠は何もないのだとか。
  適当に? 百年だったり二百年だったり。

   どうやら、確率のマジックのようです。
  果たして本当にそうなのでしょうか・・? 
  もし、そうであるならば・・。暗澹たる思いです。

   とは言え、新しい発見です。
  単なるミステリーですが、こんな所が、
  本とテレビドラマでは違う所以(ゆえん)ですね。  


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