暗くなってからの世界は 何て不思議なんだろう? あたしの他はみんな眠っているのかしら? 段々の側の繁みの大きな 白薔薇 は夜見ると、 小さな人間の顔のように見えた。 薄荷の香りは友達のようだった。 果樹園でぴかっと蛍が光った。 【「炉辺荘のアン」 第31章】 |
今日は、生憎の真珠色の空になりました。
今の所、雨は降っていませんが(17時半現在)、
どうやらお天気は、再び下り坂のようですね。
しかしながら雨となりますと・・。
折角のジャスミンの花びらが散ってしまいます。
開いた花びらは、やがて散るのは当たり前なれど、
つい残念に思う私がいます。
今日のこの空、風はありませんが、
香りを特別強く感じるような気がしてなりません。
さて、今日も話題は白薔薇。
蕾から何日か経った今日、
こんな姿でお目見えです。
蕾からやっとひとひら
開いたと思いましたら、
後は一気です。
思えば晩秋には・・。
一つの所作に気の遠くなる
ような長い日々を
費やしましたけれど。
「白い貴婦人」 に見立てた
この薔薇は、どうしても今は
亡きダイアナ妃を思います。
華麗な女性たちは、
薔薇によって 「伝説」 に
なるのですものね。
ところで明治以来、
薔薇と言えば西洋薔薇の
イメージが強いですね。
でも日本には日本原生種が存在し、
古くは万葉集などでも詠まれているというから驚きます。
古典では 『常陸国風土記』 に 「茨(うまら」
として登場する、「ノイバラ」 が最古だと言われています。
「うまら」 「いばら」 「そうび」 「ばら」。
呼び名こそ変わりましたが、新種も受け入れ、
自然と共に共生する、日本ならではの薔薇文化を誇りに思います。