【再び曲がり角の浪漫 ~ 蔵のある風景】
「高い所に住むということは」 「社会的に高い所という意味?」 いや。地理的にだよ。 下界を見下ろす山の頂上の 城にでも住んでいたら、 人はありきたりの人間を 軽蔑するようになるんじゃないかね? つまり、その人は最高の人間であり 偉大な人間なのだ。 (中略) おそらく山に登って下界の谷間の人間たちを 見下ろす多くの人々もそう感じるだろう」 【A・クリスティー 「フランクフルトの乗客」】 |
台風一過(と言っても雨だけでしたが)の今日は、
曇りから晴れへ。天気はゆっくりですが、回復へと向かっています。
今、町は遅れて来た? 金木犀の香りで一杯。
幸い昨日の雨でも散る事はなく、その香りを満喫しています。
さて、買い物からの帰り道。
私は恒例の道草です。
尤も今日の外出は、いつもの
駅へ向かう下りの道ではなく、
反対方向の山側。
自宅近くと言えない事も
ありませんが、私の住む
新興住宅地ではありません。
古くからある昔ながらの
住宅地に入り込みました。
場所的には、かなり山の上。
従って、そこからの見晴らしは
最高です。
途中まではこれまでも行った
事がありますが、もう一つ坂を
越えるのが億劫で、
いつも途中で引き返していたものです。
そんな事もあって、私にとっては未知の世界。
何とそこには、山を背にした和の住宅地が広がっているではありませんか。
ちょっと昭和にタイムスリップした気分。
現代の家もありますが、まだまだ趣きのある古風な家が
沢山残っています。独特の瓦屋根や装飾。つい、キョロキョロ。
それでいて自然も沢山残っています。
大きな敷地には当然のように蔵があり。
金色の花、金木犀はこれでもかと甘い香りを発散し、
金色の実である柿も、たわわに実っていて。渋柿でしょうか・・?
そんな中にも洋館が。
ひょっとしたら 「失望の家」? かも知れません。
誰も住んでいないような気がしたのですが・・。