【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

薄紫の思い草 ~ 紫苑

2013-10-11 17:25:25 | 香る庭の花綴り



【「紫苑(シオン)」】





窪地には抒情味豊かな 紫苑 が咲き、
林檎が鈴なりの果樹園からは
子供達の笑い声が響いて来た。
上グレンの山の牧場の夕べは澄み渡り、
銀色の鰯雲いわしぐもの空を黒い鳥が渡っていた。
日が短くなるにつれ、
小さな灰色の霧が
砂丘を静かに越えて港に上がって来た。
                【「炉辺荘のアン」 第11章】












   夜のうちに雨が降ったのでしょう。
  起床時には路面も庭の草花も濡れていました。
  いつもでしたなら・・。

   こんな雨上がりは、とりわけ “キラキラ感” に浸るのでしょうが、
  感じるのは、モヤ~ッとした蒸し暑い空気だけ。
  今が10月という事さえ信じられません。

   それでも見上げた空は面白くて。
  こんな空になるのは秋だけですもの。

   巷では季節外れの桜が咲いた・・
  ~なんて姦(かしま)しいですが、秋は必ずやって来ますね。








【アメジストセージ】



   さて、今日の幸せ。
  予(かね)てから欲しくて
  欲しくてたまらなかった、
  紫苑が手に入りました。
  (冒頭の写真)

   勿論、『アンの世界』
  では、お馴染みです。

   知人の庭先に咲いている
  ものを分けて頂きました。

   いつも眺めていたい
  ものですから、私の視界の
  及ぶ所に植える事に。

   ところでこの紫苑、
  日本が原産なのですね。

   正確には日本、中国、
  モンゴル、朝鮮など。

   道理で 「源氏物語」 や
  「今昔物語」 に、この花が出て来るのですね。

   花言葉も大層、ロマンティック。
  「君を忘れない」 「遠い人を想う」 「追憶」

   「紫苑」 という名前も花言葉も、
  “何もかも素敵~!” と思っていましたら・・。

   何と別名は、「鬼の醜草(オニノシコクサ)」。
  時々、草花には思いがけない名前が付いている事がありますが、
  この花もしかり。でも、どうして鬼であり醜い草なのでしょう。

   根には去痰作用や利尿作用があるそうですね。
  それよりも花の美しさから観賞用で育てられる事が多いのだとか。
  そんな花ですのに。その上、絶滅危惧種でもあるそうです。

   それに今回、調べて分かったのですが、漢字の本来の意味には、
  吉凶を共に併せ持つと言います。言霊(ことだま)と同じなのですね。

   となれば・・今、流行りのキラキラネームも考えさせられます。
  単なる思い付きや当て字で付けるべきではないと。

   そうそう、「紫苑色」 という色がありますね。
  実際の紫苑の色よりちょっと濃い赤紫色に思えますが、
  どうなのでしょう。

   アメジストセージの色がその紫苑色・・? 
  こちらは逆に少し赤っぽいかも知れません。