港が見えた。海が見える。 5年振りに見る尾道の海は懐かしい。 汽車が尾道の海へさしかかると、 煤けた小さい町の屋根が 提灯のように拡がって来る。 赤い千光寺の塔が見える。 山は爽やかな若葉だ。 緑色の海向こうにドックの赤い船が 帆柱を空に突きさしている。 私は涙が溢れていた。 【林芙美子 「放浪記」 より】 |
雨こそ降らないものの、どんよりした空で明けました。
ポツポツ・・と降り出したのは午前10時頃の事。
今も、ごく弱い雨が降ったりやんだりしています。
昨日も触れましたが、金木犀の香りは今日も健在。
一歩外に出た途端、甘い香りが鼻孔をくすぐりましたから。
さて、ドライブ旅行2日目。
雲一つない快晴の空の下、
一路尾道へ。
どこまでも青い空と青い海。
山肌に狭い路地や石段が続く
ノスタルジックな坂の町です。
遥か町を見下ろす、
山の上にある千光寺に行ったの
ですが、兎にも角にも狭い道。
そこに観光バスが何台も。
坂のある町は風情があって素敵ですが、
実際の生活となると大変でしょうね。
ところで千光寺は古刹ですから、
どちらかと言えば、古色蒼然たるアース色のイメージでいたのですが、
色鮮やかな幟(のぼり)や溢れるハングル文字に違和感。
“どうして・・?” なんて思っていましたら・・。
「韓国ドラマロケ地」 と、これまた大きな看板が。
日本人でしたら小津安二郎監督の 「東京物語」 でしょう。
~なんて。
ただ最近、ハングル表示が増えて来た事が気になります。
以前のように日本語と英語で十分だと思うのですが・・。